最下流には、香南市吉川町の「天然色劇場」、少し上流に野中兼山の指揮のもと築かれた「山田堰」がある、
一級河川・物部川。
関連記事:高知の史跡「山田堰(やまだぜき)」土地改良区で歴史を学ぼう
水源は香美市物部町、平成の大合併前まで「物部村」と呼ばれていた地にある。
その物部川に「ダム」があるのをご存じだろうか。
物部川に築かれたダムは3つ。
下流から順に、香美市土佐山田町杉田と香北町の境界線近くにある「杉田ダム(すいたダム)」、香美市香北町吉野の「吉野ダム」、そして香美市香北町永瀬と物部町の境界線近くに位置する「永瀬ダム」だ。
それらのダムの名称に共通している事項、それに私は気がついた。
3つとも全部、人の名字にありそうな名前なのだ!
私は気づいてしまった……。
このダムたちは全員、人間なのです!
今回、私が「永瀬ダム」に行ったのは、まったくの偶然だ。
永瀬ダムに行きたい、と思ったわけではない。
ただ……ダムが私を、私がダムを引き寄せられたのだ……。
小雨落ちる、霧の中……。
旧・物部村役場に続くトンネルに、あと1キロほどといった地点で脇道に逸れる。
見えてきたのは、香美市は香北町猪野々(いのの)を流れる、物部川上流域の風景。
▲ 霧の中に、猪野々の集落も見える。
車1台がようやく通れるほどの細い道を、さらに上流へ向けて走る。
永瀬ダムと管理事務所
ついに見えてきた。「永瀬ダム」と、その管理事務所。
管理事務所の中には何名かの人がいる模様で、しっかりダムを管理されておられる。
▲ 画像は物部町側(上流側)から撮影。
こいつが私の中で噂の、永瀬ダム!
それほど大きなダムではない。
しかし霧が立ちこめるダム湖は、なかなかに風情がある。
永瀬ダムのダム湖
霧の摩周湖。
いや………、
霧の永瀬ダム湖!
語呂が悪いな……。
永瀬ダムの外観
▲ 香北町側(下流側)に回ってみましょう。
ダムから、ガンダムが発進しても驚かない。
そんな雰囲気のあるダムだ。
あの赤い辺りが開くようになっていて、ロボットなどが飛び出す、そういう可能性もあり得る。
小雨が降る中でどうかと思ったけれど、霧が立ちこめる姿は幻想的。
▲ ダムの上から下流側を眺める。
たかぁーい!
落ちたら、だいぶ痛そう。
▲ ダムの脇、到底…人が立ち入れないような場所にも木々が生えていて……
あの木は、いまなにを考えているのだろう、と興味深い。
あなたは考えたことがないだろうか?
あの急斜面に立つ、木の心境を。
世界の誰もがキミに目を向けなくても、私はキミをそっと見ているよ。
急斜面に立つ木に、そう語りかけて「永瀬ダム」をあとにした。
永瀬ダム周辺の風景
永瀬ダムから、元来た道を下流のほうに戻る。
▲ 山と物部川。
風景が美しい。
出会った頃の妻のようだ。
お水綺麗だねぇ!透き通ってるよ!
高知県香北町永瀬にある「永瀬ダム」。
小さいが風情のあるダムでした。
途中の道が細いため、見に行く際は、軽自動車など、小さめの車で行かれることをおすすめします。
▼ ダム関連記事
豊年池ダム(ほうねんいけダム)