一口に『うどん』と言っても、
いろんな食べ方がある。
例えば、釜から抜いた麺に、
卵を絡ませて食べる『釜たまうどん』
釜たまは難しい。
家で作ってみても、まず上手く行かない。
卵を好みの具合に半熟にさせるのが難しいし、
だいいち、麺本来の味や食感がモロに出て、
そんじゅそこらで市販されている麺では、美味しく食べられないのだ。
だから、私は家で釜たまを作るのは諦めた。
釜たまが食べたくて、どうしようもない時。
発狂しそうな時。そんな時。
やはり無理せずプロにお願いするのが一番。
餅は餅屋。
うどんはうどん屋。
『手打ちうどん たも屋南国店』
入店して、カウンター越し。
店のおばちゃんに注文する。
「釜たまの特大・・・!」
すると、おばちゃん。
振り向き、後ろでせっせと麺生地を伸ばしていた、
若い男性の店員さんに問う。
「釜たま、あと何分?」
「あと2分!」
そうして、麺が釜から揚がる時間を確認すると、
私に聞く。
「あと2分ほどかかるそうですが、お待ち頂けますか?」
「はいっ!」
チワワのような潤んだ瞳で、そう答えた。
空いている席に座り、暫し待つ。
広めの店内には、いつものようにビートルズが流れ、
作業着を着た人、子供を連れたお母さん、歳を召した老夫婦。
老若男女問わず、ごった返している。
「釜たまうどん特大でお待ちのお客様~!」
トッピングを置いてあるカウンターに並ぶ人の列の合間を縫って、
釜たまうどんを受け取り、レジへ。
会計を済ませて、レジ横に置かれた薬味を乗せる時、
天カスが二種類あるという事実に初めて気が付いて、
二種類とも乗せてみた。
"釜たまに天カスを入れると美味しい"
基本的に、私はうどんに天カスを入れない。
だけど、釜たまに天カスがデフォルトで付いてくる『さかえ』で、
釜たまと天カスの連携力は、ドラゴンズで言うところの"アライバ"だと気が付いて、
それから私は、釜たまには天カスをスタメンで入れるようになった。
聞くところによると、画像左の茶色い天カスが、
トッピングに使う天ぷらを揚げたカス、すなわち、「マジカス」で、
画像右の白っぽい色をした天カスは、衣だけを揚げて作ったものだとか何とか。
『釜たまうどん(特大)』
小麦香る麺。
上から釜たま用出汁をかけて、
薬味もろとも混ぜ合わせる。
乗せた二種類の天カスは、
熱と水気を帯びてドンブリの中に融け、
卵黄の調べを解き放つ。
はふ~んっ・・・!
実は、竜一。
このところ、激太り。
毎食、ご飯を食べ過ぎないように気を付けている。
だが、事うどんに関しては、
そんなの関係ねぇ・・・!
うどんを食べてる時が、一番幸せ。
特大のうどんを食べると、幸せも特大。
その店のMAX量を食べるという伝統芸能・・・!
それだけはどんなに太っても譲れないっ・・・!
大や小の選択肢なんてあるかっ・・・!
俺からうどんを取ったら・・・!
俺の人生からうどんを取ったら・・・!
何にも残らねぇんだよっ・・・!
底の見えない不況。
何処まで堕ちて行くんだ日本。
名ばかりの経済大国。
寝ても覚めても、金金金金。
人々は思う。
「本当の幸せって、なんだろう・・・!」
私の幸せは、うどんです。
◆ 手打ちうどん たも屋 南国店
営業時間/10時30分~14時30分
定休日/無
営業形態/セルフ
駐車場/有
(かけ200円、ひやひや280円、ぶっかけ280円、釜たま330円、カレーうどん380円など。
大は100円増、特大は200円増)
『手打ちうどんたも屋南国店』の場所はココ!