カップうどん界の怪物・どん兵衛と、
農業界のうどん野郎・竜一。
ついに、あいまみえることとなった二人。
伝説の戦いが、いま幕を開けようとしていた・・・。
蓋を開けた瞬間から、
どちらかというと、"キツネ"といった様相のどん兵衛に対して、
竜一は、箸を持ってして対抗。それもマイ箸。
独特の香りを漂い散らせながら襲い掛かる、どん兵衛。
立ち昇る湯気の中を掻き分けて一矢報いようとする、竜一。
「竜一よぉ・・・!
風船も膨らませられないキミにワシは倒せんさ・・・!」
「怪物と謳われるどん兵衛にも必ずあるハズ・・・!
付け入る隙・・・僅かなアルデンテの歪みがっ・・・!」
「隙・・・!?グッ・・・グッ・・・!
そんなもの・・・ワシにあるわけが無かろう・・・!
何故ならワシの麺幅はミリ単位で計算されておる・・・ワシは常に完全・・・!」
「その自信が命取りになるぜ・・・!
特盛ならいざ知れず・・・アンタは並盛・・・レギュラーサイズでしかないっ・・・!」
「ジッ・・・ジッ・・・ジッジッジッ・・・!
ならば喰ってみよ・・・!ワシのお揚げを・・・!」
言われるがまま、竜一は揚げを口に運ぶ。
<湯を入れる前まで・・・!
ほんのさっきまでガチガチだった揚げの攻撃・・・!
そんなもの・・・!俺は跳ね返すっ・・・!!>
互いに一歩も譲らない・・・譲れるわけも無いっ・・・!
意地・・・プライドを賭けて・・・!散るっ・・・散らすっ・・・!
電光石火の100万ボルト・・・!
「うおぉぉぉぉぉぉぉっ・・・!」
竜一・・・「パクッ・・・!」
喰う・・・お揚げっ・・・!
モグモグ・・・!
「あぁっ・・・!
めっちゃジューシィ・・・!」
一見すると、どん兵衛の術中に嵌ってしまったかに見える竜一。
しかし、竜一とて日清の手は知り尽くしている。
この時、竜一は密かに形勢逆転の一打を狙っていたのである・・・!
「ククククク・・・!
地の底みたいなドン底の窮地から・・・!
俺は蘇るっ・・・!」
糸は切れちゃいねぇ・・・!
もうダメかなって思った坂が勝負どころっ・・・!
「お楽しみはこれからさ・・・!」
カップうどん界の怪物・どん兵衛と、
農業界のうどん野郎・竜一。
後に伝説として語り継がれる戦いは、
この時まだ序章に過ぎない・・・。