足りねぇ・・・!
まだまだ・・・!もっと欲しいっ・・・!
南国市の『一六八』を後にした竜一。
よもやのハシゴ・・・!
「酒もうどんも・・・!
二次会からが本番やっ・・・!」
『うどんのみなみ』
<数年ぶり・・・!
久し振りだね・・・みなみちゃん・・・!>
高知市中心部、繁華街にある『みなみ』
深夜まで営業していることから、一時期飲み歩いていた頃の竜一は、
飲んだあとの締めの一杯に、よく『みなみ』を利用していた。
だから、『みなみ』には何度も来たことがあったりするのだけれど、
昼間の『みなみ』は、初めて。
入店した竜一に、
違和感、走る。
<あれ・・・!
こんな感じだったっけ・・・!>
店内の間取りが、記憶と違う。
しかし、思い起こしているのは4~5年前のことで、
記憶自体が、すごぶる曖昧。
<それも・・・よくよく考えてみれば・・・!
かつての俺がみなみに来る時は・・・いつも泥酔してたからなぁ・・・!
そのせいで・・・余計に記憶の糸を辿ることが出来ない・・・!>
時刻が14時前ほどと、
遅めだったことも関係しているようで、
店内には、先客おらず。
カウンター席に腰を掛ける。
すると、すぐさま店のおばちゃんが、
水とおしぼりを持って来てくれた。
カウンター越しの厨房では、
店主と思われる男性が何やら作業をしている。
あらかじめ置かれているメニュー。
薄いファイルに入っている。
<釜玉がある・・・!
元々・・・釜玉が食べたいと思っていたんだ・・・!
一六八で醤油ガッツリ・・・そのあとには優しく胃を包んでくれる・・・たまご王子・・・!>
釜玉が本線本命っ・・・!
そうこうしていると、あとから男性の一人客、
それから女性の一人客も入ってきて、にわかに熱を帯びてくる、みなみ。
ふと振り返ってみた片隅。
「カラオケの機械がある・・・!」
おそらく夜営業時のためのものだろう。
機械に貼られた紙には、「1時間500円」と記載されている。
「歌いたいっ・・・!」
眠りし本能が確実にそう言った。
だが・・・。
<俺が歌うことで・・・!
みなみの店主が数日間寝込むようなことがあってはいけない・・・!>
そういう大人の考えをして、やめた。
(竜一の破壊力を見てみる? → 笑いのセンスがズレている人以外は見ないほうがいい)
『釜玉生醤油うどん』
<メダマー上乗せ・・・!
キレイっ・・・キレイっ・・・ウットリ・・・!>
美人さんやぁっ・・・!
エッジ鋭く真っ直ぐにビシッと揃った麺線。
「モグモグッ・・・!」
<一般的な釜玉に多いモチモチ食感じゃなくて・・・!
意外にシコ系・・・そんな雰囲気・・・!
固めの表面からシコシコッッッ・・・と中心へ切れ込んでゆく・・・!>
『きつねうどん』
見た瞬間・・・!
竜一に電流走る・・・!
<ややっ・・・このカマボコ・・・どこかで見た気が・・・!
少し形が違うか・・・!?・・・んん・・・!似ているがどうだろう・・・!>
出汁を飲んで、また衝撃。
<おおおっ・・・コイツはもしかして・・・!
昆布とイリコ・・・それから3種のカツオ節で出汁を取ってんじゃねぇのか・・・!>
ククク・・・!
俺ほどになると分かっちまうんだ・・・!
一口飲んだだけで・・・!
出汁に何が入っているかなんて・・・!
分かりたくなくても・・・全部分かっちまう・・・!
出汁の成分が透けて見えるのさぁっ・・・!
(まぁホントは壁の張り紙に、
「昆布とイリコと3種の鰹節を使って出汁を取っているよ!」という旨が記載されていたんだけどねっ!)
「ゴクッ・・・ゴクッ・・・!」
<甘いような・・・辛いような・・・やっぱり甘いような・・・!
いろいろ入っているだけあって複雑な味わい・・・!まるで迷路・・・!>
カウンターで食している竜一の背中側にあるテーブル席で、
あとから来た男性客と店のおばちゃんが親しげに話している。
壁には「店主一人の時はセルフでお願いしますっ!」という風な張り紙。
<つまり・・・!
あのおばちゃんが居ない時は・・・!
セルフシステムに変わるということなのか・・・!>
ランダムセルフ・・・!
ランダムおばちゃん・・・!
<その時々で店のシステムが変わるというのも面白いな・・・!
セルフな時のみなみ・・・!そんな一面も見てみたい・・・!>
おばちゃんに舌代を払って帰ろうとしていると、
カウンターの向こう側にある厨房から、痩せた店主がニッコリと微笑む。
みなみの空気は、なんだか温かい。
◆ うどんのみなみ
(高知市はりまや町1丁目6−7)
営業時間/確認し忘れ(昔は11~15時・21時~深夜みたいな感じだった気が!)
定休日/確認し忘れ(ゆけば分かるさ!)
営業形態/一般店(店主一人の時はセルフになるみたい!)
駐車場/無
(釜玉生醤油うどん400円、きつねうどん450円)
『うどんのみなみ』の場所はココっ・・・!