西の西、足摺岬へ

2012.06.05

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西の西、足摺岬へ

2012.06.05

2012!春の四万十ぶらり旅!
『手打ちうどん たも屋 春野店』 → 『四万十へ、新風追いかけて』 → 『UDON KUA'AINA (うどん・クアアイナ)』
→ 「西の西、足摺岬へ」 → 『道の駅 めじかの里・土佐清水』 → 『足摺海洋館』 → 『竜串海岸』 →
『グッバイ!土佐清水!』 → 『いろりや 肉醤油うどん & 力豚のカレーうどん』 → 『番外編』


四万十川のほとりで

クアアイナを出た私は、クアアイナのすぐ北東辺りに位置する四万十川沿いに車をとめて、
ウグイスなどの野鳥の鳴き声に耳を澄ませていた。

日常、私も田舎で農業をしているから、
ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴く声はよく耳にしていて、別に珍しくもなんともないのだが、

四万十市に来て、あの高名な四万十川のほとりで聞いているのだと思うと、
不思議なほど安らいで穏やかな気分になった。

何時間でも・・・!
あるいは、この地に移り住んで何年でも聞いていたいような感覚さえ覚える。

広い空。
のどかに広がる田園風景。
美しく雄大な川。

川は雄大と言っても、無論、アマゾン川ほどに雄大ではないが、
とにかくすべてが日本らしく、日本の川辺ならではの、素朴な美しさがあった。

ぼんやり風景を眺めていたら、なんだか眠くなってきた。
せっかく四万十まで来たのに、寝てしまっては勿体無いと、
落ち着きすぎた心を奮い立たせるようにして、思考を切り替える。

<次・・・もう一軒・・・
うどん・・・ハシゴするか・・・!>

野鳥の鳴き声を聞いているあいだに、
ある程度、消化も進み、まだあと2玉ぐらいなら食べられる気がした。

距離的な問題で、なかなか来ることができない
四万十市、および四万十市周辺に、行きたい店はたくさんある。

一気に数軒行ってしまおうと考えるのは、当然の思考だと思えたが、
今回の四万十遠征で最大の目的だった、新店「クアアイナ」には、もう既に行ってきたわけだし、
ともすれば、このまま家に帰ってしまっても良いような気さえしてくる。

もう一軒うどん屋に行くか、帰るか、二択の答えが出せないまま、
アテもなく四万十市中心部の方へ車を走らせていると、
ふいに道路標識に「足摺岬」という表記が見えた。

瞬間、突如として沸き起こる、思い。

<足摺・・・行ってみようかな・・・!>

2~3回ほど行ったことはあるが、
最後に行ったのは十代の頃で、もう10年以上行っていない足摺岬。

この機会に行かないと、
さらに10年は、行く機会が無いような気がした。

だが、四万十市から足摺岬まで、
どれほどの時間がかかるのか正確にはわからない。

1時間、かかるだろうか、かからないだろうか。
とにかく、間違いなく、10分や15分では行けそうにない。

時刻は13時前だった。
往復2時間見積もって、足摺で費やす時間も計算に入れると、
帰りは夕方、帰り着くのは、完全に夜になってしまうだろう。

自分に問いかける。

<明日は仕事があるぞ、ちょっとしんどいぞ、それでも行くか?>

けれども、しかし、
やはりこの機会に行かないと、足摺に行くことなんて、そうそう無い。

「やらずに後悔よりも、やって後悔」みたいな言葉が頭に浮かんで、
それは今この局面で使う言葉なのか、と、自分でも可笑しく思ったものの、
「この機会を逃したら、後悔する」という感覚が拭い去れない。

クアアイナで、大きな「かしわ天」を取った時の感覚と同じだった。

後悔を恐れる気持ちは、
いつだって自分を突き動かす。

私は、"後悔したくない!"という一心で、
四万十川沿いを下流へ向けて、アクセルを踏んだ。

予定というほどの予定は無かった。
けれども、一応、四万十市でうどんを食べたら・・・
クアアイナと、もう一軒行くか行かないかしたら、帰るつもりだった。

それが、まさか四万十市よりも西に、
突然の思いつきによって行くことになろうとは・・・。

気軽にドンドン西へ行ってしまって、
果たして私は帰れるのだろうかと、まったくやれやれ不安である。

(つづく・・・!)
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『グッバイ!土佐清水!』 → 『いろりや 肉醤油うどん & 力豚のカレーうどん』 → 『番外編』