外で酒を飲むと、大抵の場合は飲みすぎてしまうので、
おそらく、きっと、いつものように全身を襲う苦しみに悶える朝を迎えるのだろうと覚悟していたが、
無理をしないで早めにお茶に切り替えたのが功を奏したのか、
起床した身体は石のように重かったけれども、二日酔いなどは無かった。
カーテンの隙間から入る光は青みがかっている。
時刻を確認すると、まだ5時を過ぎたばかり。
この時間に起きる必要はなかったのだけれど、
いつも起きている時間を、身体が覚えていて起きたみたいだ。
それにしても、
ゆうべ飲んだ多量の水分は、一体どこへ行ってしまったのか。
喉がカラカラに渇ききっている。
重い身体を引き摺るように、ヨロヨロと布団から這い出て、
なんとか冷蔵庫に辿り着き、入っていた2リッターペットボトルのコーラを、
コップに並々と注いで飲み、渇きを潤した。
けれども、それは2~3度、喉が鳴る程度。
その後は、残った多量のコーラを枕元に置いたまま、
睡魔に絡め取られるようにして、また眠った。
2日前に降った雨の影響で、生姜畑が乾かないため、
元々、半休の予定で、仕事は昼からだった。
それをいいことに、ゆっくり眠る。
起きると、9時を過ぎていた。
相変わらず、喉が渇いている。
枕元に置いたままだったコーラは生温く、
炭酸が抜けてグッタリとしていた。
それを一口飲んで思った。
<冷たいうどんの出汁が飲みたい・・・!>
ゆうべ、4玉のうどんを食べながら、
またうどんを欲していることが、我ながら可笑しかった。
けれども、一度、キンキンに冷えた"ひやひや"の出汁の感じを想像し始めると、
居ても立っても居られなくなって、
私は、高知で朝から"ひやひや"が食べれる唯一の店、「たも屋」を目指した。
到着した「たも屋南国店」
日曜日ということもあるのか、
朝からなかなかたくさんのお客さんが入っている。
注文カウンターには二人ほど並んでいて、
私が店に入ったと同時に、若い兄ちゃんが「ひやひや」を頼んだ。
<今日なんか特に蒸し暑いもんなぁ・・・>
だよな!ひやひやだよな!
と心の中で兄ちゃんに賛同しながら、
私も彼と同じように「ひやひや(大)」を注文した。
今日の私に「特大」は無理。
「大」でも、最後の0.3玉分ほどのところで、もがいて、もがいて、
やっとの思いで、完食の頂に登り詰めたほどだった。
トッピングは、「ちく天」
食べながら麺を見つめていて、改めて思ったが、
「たも屋」の麺の表面には、無数の細かい凹凸がある。
<この凹凸が、たも屋の生命線というか、
おそらく、きっと、旨さの秘密なんだよなぁ・・・>
ちく天を噛むと、冷えた出汁が溢れ出す。
それはアルプスの雪解け水のように、乾いた私の身体を清らかに潤した。
◆ 手打ちうどん たも屋 南国店
(高知県南国市明見958-1)
営業時間/8時~14時30分
定休日/無
営業形態/セルフ
駐車場/有
(かけ、ひやひや、しょうゆ、釜たま、釜バターなど)
『手打ちうどんたも屋南国店』の場所はココ・・・!