喫茶・座文 前編/風情

2013.12.02

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喫茶・座文 前編/風情

2013.12.02

座文18

香美市土佐山田町、神母ノ木の商店街『風鈴横丁』を歩く。
『神母ノ木』と書いて「いげのき」と読むことは、子供の頃から知っている。

<暴露すると…俺…子供の頃…ここ神母ノ木に住んでたんだ…!>(実話)

商店街の道幅は、車2台が何とかすれ違える程度。
すぐ傍に一級河川・物部川があり、緑色した水を土佐湾へ向けて緩やかに流している。

座文17

<俺みたいに静かやのぉ…!>
と私は思った。<そして俺みたいに風情がある…!>

近くの『高知工科大学』に通う学生だろうか。
時折、自転車に乗った若者が走り去っていく。

その光景がまた一つの風景になっている。
瞬間を上手く狙えば良い写真が撮れそうだ。

座文1

『喫茶・座文』
(きっさ・ざぶん)

私が目指していた店。
<ここにあることは随分前から知っていた…!水面下で調査済み…じつは張り込んでいたんだ…何ヶ月も前からね…!>

木の戸を引く。
ガタガタとガラスが揺れる音がする。<いい音…!>

座文8

昼ご飯には、まだ早い時間。
店内は空いていた。何処に座ろうかと迷う。

<裏庭…?外にも席がある!>
それこそ良い写真が撮れそうだと思った。<でも外で食べるのは、やめておこう!寒そうだ>

座文5

水が来る。

座文19

おかわり用の水も来る。

<すごい…革新的…ウォーターピッチャー…!>
こう来たかと驚いた。店の雰囲気に調和している。

座文6

イイッ…!

座文7

イイッ…!

茶系の色した店内の雰囲気が、とてもいい。
<絶景っ…店内!絶景っ…!!>

下手なグランドキャニオンより…絶景っ…!

座文2

店のお姉さんが置いていってくれたメニューを開く。

座文3

フードは3種。
『ネパール風カレー』『南インド風チキンカレー』さらに沖縄県発祥の『タコライス』

座文4

<ネパール…インド…日本…!
つまりその3国家…3拓というわけか…!>

どの国に入国するか、迷った。

<俺…パスポートもビザも持ってないけど…大丈夫かな…!>

入国審査でつまづく。
そんな予感もしながらお姉さんを呼んだ。軽やかにドモった。

「すすす…すいません…!ちゅちゅちゅ注文を!」
チューチュートレインならぬ、ちゅちゅちゅ注文トレインである。

(後編へ続く!)
(※ 一部、竜一の勘違いによる誤文を修正しました)
『後編を読む』