香美市土佐山田町、神母ノ木の商店街『風鈴横丁』を歩く。
『神母ノ木』と書いて「いげのき」と読むことは、子供の頃から知っている。
<暴露すると…俺…子供の頃…ここ神母ノ木に住んでたんだ…!>(実話)
商店街の道幅は、車2台が何とかすれ違える程度。
すぐ傍に一級河川・物部川があり、緑色した水を土佐湾へ向けて緩やかに流している。
<俺みたいに静かやのぉ…!>
と私は思った。<そして俺みたいに風情がある…!>
近くの『高知工科大学』に通う学生だろうか。
時折、自転車に乗った若者が走り去っていく。
その光景がまた一つの風景になっている。
瞬間を上手く狙えば良い写真が撮れそうだ。
『喫茶・座文』
(きっさ・ざぶん)
私が目指していた店。
<ここにあることは随分前から知っていた…!水面下で調査済み…じつは張り込んでいたんだ…何ヶ月も前からね…!>
木の戸を引く。
ガタガタとガラスが揺れる音がする。<いい音…!>
昼ご飯には、まだ早い時間。
店内は空いていた。何処に座ろうかと迷う。
<裏庭…?外にも席がある!>
それこそ良い写真が撮れそうだと思った。<でも外で食べるのは、やめておこう!寒そうだ>
水が来る。
おかわり用の水も来る。
<すごい…革新的…ウォーターピッチャー…!>
こう来たかと驚いた。店の雰囲気に調和している。
イイッ…!
イイッ…!
茶系の色した店内の雰囲気が、とてもいい。
<絶景っ…店内!絶景っ…!!>
下手なグランドキャニオンより…絶景っ…!
店のお姉さんが置いていってくれたメニューを開く。
フードは3種。
『ネパール風カレー』『南インド風チキンカレー』さらに沖縄県発祥の『タコライス』
<ネパール…インド…日本…!
つまりその3国家…3拓というわけか…!>
どの国に入国するか、迷った。
<俺…パスポートもビザも持ってないけど…大丈夫かな…!>
入国審査でつまづく。
そんな予感もしながらお姉さんを呼んだ。軽やかにドモった。
「すすす…すいません…!ちゅちゅちゅ注文を!」
チューチュートレインならぬ、ちゅちゅちゅ注文トレインである。
(後編へ続く!)
(※ 一部、竜一の勘違いによる誤文を修正しました)
『後編を読む』