仕事を午前中に切り上げて
車で高知市へ走った。用事があった。
午後1時半くらいだった。
どこかで昼ごはんを食べないと、
早朝からずっと草刈りのバイトをしていて、お腹がへった。
草刈りのバイト代は、
高知県における一般的なバイト代の2倍くらいある。
ここは豪勢に………。
といっても、うどんしか頭に浮かばない。
コインパーキングに車を停めて歩く。
『高知市文化プラザかるぽーと』の向かいへ歩く。
褐色の外観。
たぶん1年以上は行くことができていない、
『麺 鄙屋(ひなや)』
(高知県高知市南はりまや町2-15-11、11:30~麺切れまで[目安は14時くらいか?]、定休日月曜、駐車場なし)
いつ来ても来客数多めの印象だが、
この日も賑わっていた。
入店して早々、店のお姉さんが言う。
「いくつか売り切れてるものがありますけど構いませんか?」
「ああ…大丈夫です」
と私は答えた。
正確には、なにが売り切れているのかわからないし、
なにが大丈夫なのかもわからないけれど、
すでにコインパーキングに車を停めている。
ここで退却すると
まったく無駄な100円を使ったことになってしまう。
大丈夫じゃなくても大丈夫ということにしたい。
「ここからここまでが売り切れてまして…」
と店のお姉さんはメニューの特定範囲を指差した。
そのメニューとは別に、
壁に『冷やし五目』と書いた
写真付きのメニューが貼られている。
五目うどんの冷やかけ版といった様相だ。
外は灼熱。
「冷やし」という文字列は魅力的に見える。
しかし『冷やし五目』は売り切れていないのか不明。
さっきお姉さんがメニューを指差したとき、
温かい『五目』は作れないメニューに含まれていた。
コミュ障の私、頑張って訊く。
「冷やし五目はできます?」
「冷やし五目は……」
と言いながらお姉さんは厨房のほうに行き、また戻ってきた。
「具材が変わってもよろしいようでしたらできます」
よくよく聞いていると、
どうやら「キツネ」が売り切れているようだ。
この際、キツネのことはキッパリ諦めた。
<キツネさんなんて、
そうやってウジウジ売り切れてればいいのよ!>(謎)
『冷やし五目』は数分後にきた。
メニューの写真を参照したところ、
キュウリがワカメに、
キツネがシイタケに変更されているようだ。
「生姜はご入り用ですか?」
「いります………!」
別皿に盛られた生姜。
全部いく。だって生姜農家なんだもーん。
麺が以前と違う気がしないでもない。
以前はもっと幅広だった記憶があるが気のせいかもしれない。
冷たい出汁にクニュクニュの麺。
生姜農家だから言うが、生姜が絶妙な爽快感を生み出している。
変な話、
具材が多くて出汁が冷たいので、ソーメンみたいだ。
なんとなく幼少期、
夏の暑い日に縁側で食べたソーメンを思い出してしまう。
(まぁ、その記憶はねつ造だがね……!)
終盤、卓上にあった
『揚げオニオン辛し』の存在に気が付き入れてみる。
<めっちゃ出汁にパンチが出た………!>
入れたほうが絶対に美味しい。
出汁の甘さのあとに、揚げオニオン辛しのからさが来て、
出来のよいカレーみたいに美味しい。
変な話、
もはや、うどんだけど、ソーメンであり、カレーである。
(名言や!)
『冷やしふきよせ』(具材変更バージョン)
会計時、
本来の具材じゃなかったからと、オマケしてくれた。
「あああ、すいません…!」キョドるコミュ障。
ありがとうございやした。ありがとうございやした。