『カフェド昭』は香南市野市町、土佐くろしお鉄道「ごめん・なはり線」野市駅のすぐ東、鉄道高架下にひっそりと佇んでいた。
<まだモーニングやりゆうかな……>
午前10時半。
早朝4時には目が覚めていたのだけれど、朝からそんじょそこらの総理大臣並みに忙しく、遅い朝食になってしまった。
店内に入ると、台に並べられたたくさんの小物が目に付いた。販売しているもののようだ。
二人掛けのテーブル席がいくつかあるだけで決して広くはない。ただ、どこか可愛らしい雰囲気がゆったりと漂っている。
厨房と飲食スペースを仕切る壁が棚状になっていて、そこに「ノリタケ」というブランドの食器がいくつか飾られていた。
<ノリタケ知っちゅう!とんねるず、ではない。知っちゅうき!>
食器や小物を眺めたりしながら待っていると、注文した『ツナマヨトースト』のモーニングが運ばれてきた。
「サラダがカワイイ!☆」衝動的に思春期の女子みたいな声を上げてしまった。サラダの隣に一本だけちょこんと載ったウィンナーソーセージがまたいい。
透明なガラスの器に入れられたオレンジ色のものは、液体、つまりオレンジジュースかと思い、飲もうとして気が付いた。<これは固体だ>ゼリーだった。
<この程度の量で俺の宇宙(胃袋)は満たせない>
女子力高めの見た目から、食前にはそんな余裕もかましていたが、ボリュームは見た目以上。
パンが分厚っ…!
女性に限らず男性も、外見で判断すると痛い目に遭うように、モーニングも外見で判断してはいけない。大体見た目で判断する人は一生見た目で判断し続け、痛い目に遭い続けるのだ。
もちろんパンの厚みなど見た瞬間からわかっていた。しかし食べてみると見た目よりもさらに分厚い。このパンの断面でロッククライミングができそうなくらい、高さがある。
そしてこのパン、非常にジューシー。
上に載ったツナマヨから溢れた旨味を含んだ油、それをパンが吸い、より一層ボリュームアップ。圧倒的食べ応え。ちょっとした大型ピザくらいの攻撃力と化している。
<け…結構お腹張るなぁ…>
人はお腹が張ると眠くなる。<帰って横になって昼寝したい…>
(タマゴホットサンドモーニング)
(いったい何を言っているのかわからねぇと思うが、アイスコーヒーの氷がアイスコーヒーなんだ!これなら氷が融けてもずっとアイスコーヒーがアイスコーヒーのままなんだ!)
「なんかランチも評判みたいやき、今度はお昼に来ようかな!」
ありきたりな締めの言葉を述べて、店を出る。
ゆるりと。ゆったりと。ゆっくりと。
1分が360秒くらいで流れる、なかなか素敵なお店だった。
◆ カフェド昭
(高知県香南市野市町西野2110−5)
営業時間/7:30~17:00
定休日/日曜日、第2土曜日
駐車場/有