半年振りに髪を切った。
元々、極度のメンドクサガリ屋な私。
髪を切りに行くのもぶっちゃけ、超メンドイ。
だから半年間も伸ばしに伸ばしていたわけだが、
ザックリ切ってサッパリサッパリ。
「次は年内に来てね」
と言われて、笑って誤魔化したが、果たして行く気になるかどうか。
髪は高知市内まで切りに行っているのだけど、
折角市内まで出てきたからと、帰りに市内の竹島町というところにある『讃州』といううどん屋に寄って
うどんを食べてきた。(『讃州』と書いて、『さんしゅう』と読むみたい)
髪を切りに行くのは超メンドイけど、うどんを食べに行くのは全然メンドクない。
最初に記しておきますが、今回うどんの画像はありません!(ぇ
では、『讃州』に潜入した話を。
時刻は14時を過ぎようとしていた。
高知のうどん屋は『11時~14時』までという営業時間でやっているところが多いことから、
まだやってるかな~と、営業時間の心配をしていたのだが、
店の入り口に、『~15時頃まで』と書かれているのを見てホッと一安心。
良かった良かった。一時間あればジックリと落ち着いて味わえる。
店に入って椅子に座ると、何処の店に行った時でも、もちろんとりあえずメニューを見るわけだけど、
ここのメニューは一味違った。
大抵、うどん屋のメニューというのは、文字でうどんの名前が数種類書かれているだけというシンプルなものだ。
だから、うどんを食べ慣れていない人とかが、よく店の人に、「ぶっかけってどんな感じのですか?」と聞いている光景を目にしたりするのだが、
『讃州』ではそんな光景はあまり見られないだろうと思った。
何故ならば、ここのメニューは全部写真付きなのだ!
素晴らしい素晴らしい。
写真指名が出来るとは画期的だ。
だが、困ったことに、優柔不断男は写真指名出来たら出来たで、数倍迷ってしまう。
だって、全部美味しそうに見えるもんねっ!
結局、『エビ天温玉ぶっかけ』との頂上決戦を制した『和牛肉温玉ぶっかけ』に決定。
カウンター越しに厨房が丸見えなので、
チラチラチラッと店主と女将さんの動きをチラ見する。
少し平泉成に似た雰囲気の店主が、トントントンッとうどんを切り、
女将さんは、連れが頼んだ天ぷらうどんの天ぷら用のナスに、包丁の先端を使って丁寧に切れ目を入れている。
色んなうどん屋のうどんを食べてきたが、注文を受けてから麺を切ったり、
天ぷら用の食材に手を加えていたりする店は初めてだと思う。
これがこの店の拘りなのか。
はたまた、行った時間が遅かったから、下準備したものが無くなってしまっていてそうしていたのかは定かではないが、
いつもそうしているのなら凄いし、只者ではない。
その光景を感動の眼差しで見つめていると、
やがて、麺が茹で上がったようで、店主が麺を布で出来たザルに「よっ!」と移して湯切りを始めた。
サッ!サッ!サッ!
と、ザルを頭上から下に何度も振り下ろす平泉成似の店主。
なかなかカッコイイ。
あんた、男の中の男だ!
と、高田延彦のようなことを心の中で思ってしまったのは言うまでもない。
他にもいろいろ拘りがあるようで、店内の張り紙に、
温泉卵の卵は四万十の自然の中で育った鳥の卵を使っているというようなことを書かれておりました。
なるほどね~。
そうこうしていると、ついに、『和牛肉温玉ぶっかけ』が登場した。
PRIDEの入場コール風に言うと、
「おんんんんたまにくぶっかけぇぇぇええええ!!」
なんだけど、全く伝わらないよねこれ。
麺は他ではあまり見ない平打ち麺で、軟らかめだけどコシはある。
出汁は薄味でゴクゴク飲める。
トッピングに、これまた他ではそれほどメジャーではないカツオ節が乗っている辺りに、
この店の『オレ流』が感じられた。
店の雰囲気も小奇麗で落ち着いていて居心地が良い。
住むには最適の店なのに、住めないのが残念。
そんなこんなで会計を済ませ、
「場所が家から遠いから、なかなか来られないだろうけど、また機会があったら来るよ、平泉さん」
と、背中から発しながら閉店間際の店を後にするのであった。