【閉店】ショパン あったかぶっかけうどん & カレーうどん

2011.02.22

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【閉店】ショパン あったかぶっかけうどん & カレーうどん

2011.02.22

とある一月の日。
私はオビ=ワンと、軽トラに乗って、
高知県東部のある場所へ、牛糞堆肥を仕入れに行っていた。

普段は通ることが無い、
香南市香我美町の県道。

特に会話も無く、
のらりくらりと走っていると、見えた。

道沿いに揺らめく、
『手打うどん』と書かれたのぼり。

あれっ・・・!?
こんなところにうどん屋さんあったっけ・・・!?

瞬間。
跳ね上がる、心拍数。

牛糞どころじゃねぇ・・・!
ちょっと下見して行きてぇ・・・!

そう思ったけれど、
軽トラを運転しているのは、オビ=ワン。

オビ=ワンは、私がブログを書いていることも知らなければ、
私がうどんに狂っていることも、メイドだということも知らない。

「軽トラを止めてくれ・・・!」

それが言えない。

走る軽トラのフロントガラス越しに、
のぼりは見えたのだけれど、
肝心の店は確認できなかった・・・。

後日、自分で車を運転して、
その店を下見に行った。

行ってみると、喫茶店のような店だった。
というよりも、喫茶店だった。

店の前の看板には、『ショパン』と書かれていた。
そしてたしかに、『手打ちうどん』とも書かれていた。

もうワクワクが、止まらない。

「絶対、近い内に食べに来るんだからっ・・・!」

下見から帰る車中で、そう心に誓ったのだけれど、
野良仕事が忙しい日々が続き、
実際に行ったのは、それから二週間ほどが経過した頃だった。

ショパン

『ショパン』

周囲を林に囲まれ、
ヒッソリと佇む未開の店。

独特の趣と雰囲気に、
「なんだか少し入り辛いな・・・!」とも感じたけれど、
目の前にぶら下げられているのは、『うどん』という名のエサ。

このエサの前では、どんな竜一も無力。

勇気、振り絞って、入る。

ショパン 店内

「いらっしゃい!」

扉を開けると、天童よしみのようなおばちゃんの明るい声が響く。
レジの上には、ドラえもん。
張り詰めていた緊張、ドキドキ、収まった。

ショパン 店内2

薄暗い店内。
外界とは時の流れが違っているかのような、
不思議な空気が、ゆったりと漂っていて、何故か落ち着く。

ショパン 店内3

うどんの茹で置きは一切しておらず、
すべて注文を受けてから湯がいているということで、
待ち時間、長め。

しかし、店内の絵や置物を観察して、
独特の雰囲気に浸っているだけで、退屈しない。

こう言うと妙だけど、
近頃の私は、うどんを食べ歩く上で、
味をそこまで重視しなくなってきている。

何処の店も、プロが作っているうどんだけあって、
食べられないほど決定的に不味いうどんというのは滅多に無いし、
逆に言えば、何処の店にも、それぞれの美味しさがある。

だから、美味しい美味しくないよりも、
むしろ、各店の特徴の違い、個性の違いの方が重要で、
その違いを見るのが、本当に楽しい。

やがて、おばちゃんが運んできてくれた"それ"にも、
この店、ショパン独特の個性が詰まっていて、
私のワクワクは、最高潮。

ショパン あったかぶっかけうどん(大盛)

『あったかぶっかけうどん(大盛)』

来たっ・・・!
これがショパン・・・!

未開の個性・・・!

ショパン あったかぶっかけうどん アップ

麺の上に・・・!
鎮座・・・!

甘く煮た・・・シイタケ・・・!

ショパン あったかぶっかけうどん 麺アップ

細めの麺。
エッジ、鋭い。

鋭角に反り上がったエッジを見た瞬間、
何年前だったか・・・!当時、オープンしたばかりだった、
土佐山田の『まるしん』のうどんに初めて出逢った時の感覚が蘇った。

だが、その食感、
まるしんとは、まったく異なる。

固めで、表面と中心の弾力差がそれほど大きくなく、
店の雰囲気同様、他にはあまり無い独特のガッシリとした歯応え。

ただ、このぶっかけの個性である甘く煮たシイタケの味が、
麺にも強く影響しているのが気になった。

ショパン カレーうどん(大盛)

壁に貼られたメニューに、一番人気だと書かれていた、
『カレーうどん(大盛)』

カレーの上に掛けられた白いものは、
おそらく生クリーム。

そして小皿には、甘く煮た昆布。

昆布・・・!
さっきはシイタケだったぜ・・・!?

瞬間。
竜一の脳内で、閃光煌く。

こ・・・この攻めは・・・!
まさか・・・伝説の・・・!

煮物無双・・・!!

初めて目の当たりにする秘技を前に、
竜一、心底震えていた。

凄まじい・・・!
圧倒的・・・煮物・・・!

俺もいろんな高知のうどん屋さんを食べて歩いてきたが・・・!
煮物無双の使い手に出逢うのは初めてだぜ・・・!

ここまでショパンが煮物好きだったとは・・・予想外・・・!

しかも・・・この昆布・・・!
何気に・・・イケてる・・・!

スパイシーなカレーに・・・!
甘い昆布の煮物・・・!

まさかのコンビネーションだが・・・!
これこそがショパンの本質・・・真骨頂・・・!

合う・・・合わない・・・!
そんな次元の勝負・・・!
とっくに・・・超越・・・!

合う必要なんてねぇ・・・!

大事なのは・・・!
他の誰にも出せない・・・この・・・!

攻撃力っ・・・!

湧き溢れるショパンの個性。
堪能して、店を出る。

吹き付ける、冬の突風。
振り返って、相変わらず独特の雰囲気で佇むショパンを眺め見る。

腹の底から、シイタケの香りがフワッと込み上げた。

ショパン

◆ ショパン
営業時間/8時~14時(うどんは11時~14時)
定休日/火曜日
営業形態/一般店
駐車場/有

(あったかぶっかけうどん480円、カレーうどん550円、大盛150円増)
『ショパン』の場所はココ!
(県道227号線、「ルネサステクノロジ」という名前の大きな工場の南東側にあります。県道沿いでは無いですが、県道沿いにうどん旗が立っているので分かると思います。(^ω^))

1位で竜一が全裸になるランキング。♪~(´ε` )