ときどき、なにか特定の物が無性に食べたくなることがある。
それは、『茶碗蒸し』だったり、『辛子明太子』だったり、『サーモン』だったり・・・。
この時、それは、カツ丼だった。
<サクッと揚がったトンカツに・・・トロットロのタマゴっ・・・!
ガッツリ掴んで・・・つゆが染みたご飯と一緒に掻き込みてぇ・・・!>
しかし、普段はうどん屋ばかり行く竜一。
カツ丼が食べられる店と言っても思い付かない。
<自分で作る手もあるが・・・そうじゃなくって・・・!
昭和匂いがする食堂で食べられるような・・・!
なんて言うか・・・ありきたりでスタンダードな・・・!
これぞカツ丼・・・!っていうようなのが食べたいっ・・・!>
お馴染みの『ほっとこうちランチパスポート』をパラパラと捲っていると・・・、
発見。
竜一の希望に合致する・・・!
いや・・・それ以上の次元で叶えてくれる・・・!
とてつもない一店・・・!
<うっ・・・うおっ・・・うぉぉぉぉぉっ・・・!
なんっだこれっ・・・!
この店・・・カツ丼とうどんのセットがある・・・!>
驚いた・・・!
ブッチギリの超現実・・・!
<カツ丼が食べたいと思った矢先に・・・!
カツ丼とうどんのセットを提供する店が見付かるとは・・・!
思いもよらぬ神がかり的・・・幸運・・・奇跡っ・・・!>
その店は、『サニーアクシス南国店』のフードコートに輝き佇んでいた。
『さぬき一番 南国店』
ここに来るのは初めて。
厨房で女性の店員さんが二人、何かを調理している。
<たしか・・・ここはセルフだと何かで見た気がするな・・・!>
そう思った私は、
入口のレジカウンター越しに店員さんが来るのを待った。
しかし、店員さん、
「いらっしゃいませ・・・!」
と言ったっきり、なかなか出て来てくれない。
<セルフなのに・・・なんで・・・!
注文しねぇことには始まんねぇじゃん・・・!>
などと思っていると、
ようやく店員さんが寄って来たので、とりあえずランチパスを見せる。
「あっ・・・あの・・・これ・・・!」
「あ・・・注文は後でお伺いしますので・・・!
お席でお待ち下さい・・・!」
瞬間。
竜一、赤面。
<あかーん・・・この店・・・!
セルフや無い・・・!>
一般店やぁっ・・・!
一部始終を見ていた他のお客さん数名が、
可愛そうな人を見る目で見ていた。
<あぁっ・・・なんたる不覚・・・!失態・・・!大ポカ・・・!
アフォー・・・俺のアフォー・・・!
めっちゃ恥ずかしい・・・エラ呼吸が出来そうなほど恥ずかしい・・・!>
その後は、店の一番奥の隅っこの席に縮こまる様にして座って、
今世紀最大級の自己嫌悪に陥りながら注文の品が来るのを待った。
『カツ丼セット』
(780円 → ランチパス提示で500円、期間中2回、夜も使用可能、うどんは温・冷・選択可能)
いざ・・・喰らう・・・!
カツ丼・・・!
<おおぉぉぉっ・・・期待通りのビジュアル・・・!
奇を衒っていない・・・スタンダードな味っ・・・!
だが・・・俺が食べたかったのはコレ・・・こういう味っ・・・!>
希望通りのコースに投げ込まれた球。
それを心のキャッチャーミットで掴み取って、
「ジンッ」と響く余韻を確かめる。
<カツ・・・タマゴ・・・ご飯のマッチング・・・!
それが良くて・・・ワシワシ掻き込める・・・!
バランス型のカツ丼に仕上がってやがるっ・・・!>
さらに・・・竜一・・・!
もうひとつの牙城・・・!
うどん城を攻め落とす・・・!
<にょほっ・・・こちらも攻め的要素は少ねぇけど・・・!
ショッピングモール内のフードコートという場所を考えると・・・!
老若男女に無難にウケると思われる・・・!
この路線は正解かもしれねぇ・・・!>
セルフじゃない。
一般店のさぬき一番。
営業時間が長く、昼でも夜でも気軽に立ち寄れる、
素敵な店であった。
◆ さぬき一番 南国店(南国市・サニーアクシス南国店内)
営業時間/10時~21時
定休日/無
営業形態/一般店
駐車場/超有
『さぬき一番南国店』の場所はココっ・・・!