あの店にも行ってみたい。
この店にも行ってみたい。
そういう風にいろんなうどん屋さんを巡っていると、
「一時期はよく通っていた店に行かなくなってしまう」
という減少が起こる。
行きたくないわけではなくて、
行く機会を失い続けてしまうというか・・・。
この店も、そんな一店だった。
『手打うどん 田吾作』
香南市野市町にある老舗。
店の前はたまに通るのだけれど、
少しのきっかけが無くて、中に入るのは二年ぶりである。
時刻は、14時を過ぎていた。
(閉店時間は15時)
入って右奥に三つ並ぶテーブル席。
その一番手前の席で、作業着を着たおじさんが、
マンガ雑誌を片手に白い麺をすすっている。
私は、おじさんが座っているテーブル席の二つ向こう。
店の一番奥の席に座ることにした。
久し振りに見るメニュー。
二年前からまったく変わっていない。
遠い記憶の中にあった表記。
『かけうどん(温・冷)』
それを見つけて、安心した。
<記憶通り・・・やっぱりあった・・・!
田吾作・・・冷たいバージョンの・・・かけ・・・!
つまり・・・これこそ・・・田吾作のひやかけ・・・!>
もしも記憶違いで、田吾作のひやかけ、
それが食べられなかったら、大変な虚脱感に包まれていただろうから、
自分のアテにならない記憶に間違いが無くて、本当に良かった。
<よしよしよしっ・・・!
食べられる・・・田吾作のひやかけ・・・!
老舗の冷たい出汁・・・飲み尽くしてやるっ・・・!>
「日本の夏、ひやかけの夏。」
第二弾・・・!
田吾作の陣・・・!
(ちなみに第一弾はコチラです(*´σー`)エヘヘ → 『手打ちうどん まるしん』)
「か・・・かけうどんの・・・!
冷たいの・・・大盛で・・・!」
すると、店のおばちゃん。
「大盛やったら10分ぐらいかかるんやけど・・・いいですか・・・?
中盛やったらすぐ出来るんやけど・・・!」
「あ・・・いや・・・大盛で・・・!」
「大盛でいいですか・・・!?
中盛やったらすぐ出来るんやけど・・・!」
おばちゃん、どうやら竜一に中盛にしてもらいたい様子。
だが、竜一。
譲らない・・・!
「いいです・・・大盛で・・・!」
<中じゃダメなんだ・・・中じゃ・・・!
大じゃないと・・・俺の腹は満たしきれねぇ・・・!>
「待たんといかんけど・・・構いませんか・・・?」
「はいっ・・・!」
<よし通った・・・最後の最後でおばちゃんに競り勝った・・・!
わずか10分少々が待てなくて・・・!
今日一日後悔し続けることだけは・・・絶対に受け入れられねぇ・・・!>
待つ・・・待つ・・・!
待てない高知県民・竜一・・・!
うどんだけは待つ・・・!
そして・・・来る・・・!
まだ見ぬ夢・・・!
田吾作・・・!
ひやかけがっ・・・!
『かけうどん(冷)大盛 & かき揚げ』
<あら・・・生姜付いてるじゃん・・・!
とあるTさんが生姜が付いてないって不満を言うてはったのに・・・!
ひやかけだからかなっ・・・!?>
初めて注文した田吾作のかき揚げ。
それを見て、少しの違和感を覚えた。
<おおっ・・・!このかき揚げは・・・!
まるしんのかき揚げや・・・他のうどん屋によくあるかき揚げとは・・・!
何かが違う・・・!全体的に纏まっているというか・・・!>
バサバサしてねぇ・・・!
噛むと、エビの殻が「パリパリ!」と弾けて、
フンワリとした生地との食感の対比が面白い。
<相変わらず・・・麺・・・細いなぁ・・・!>
比べてみると、割り箸の先端の幅と同じぐらいの太さだった。
柔らかく、しなやかな食感。
体調が悪い日でも、スルスルと食べられそうである。
その時、竜一。
以前、田吾作で食べた、温かい出汁に浸かったうどんの記憶と、
今現在、体感している冷たい出汁に使ったうどんの味を比較していた。
<田吾作の麺は・・・!
温かくても・・・冷たくても・・・!
あんまり食感の差がねぇように感じる・・・!>
これが老舗の技術・・・!
香南アルデンテ・・・!
「素敵です、香南市☆」
などと、某局長に対する下心満載の、
腹黒いキャッチコピーを書きつつも、食べ進む。
「ゴクッ・・・ゴクッ・・・!」
飲む・・・!
飲む・・・出汁・・・!
<くぅぅぅぅぅ・・・!
歴史の長い店らしく・・・優しくスッキリと纏まってやがるっ・・・!
いくらでも・・・どれほどでも・・・!飲める・・・!>
無制限に・・・!
<もはや俺の胃袋に限界などねぇ・・・!
こうなったら・・・!>
青天井だっ・・・!!
喰らう・・・喰らう・・・!
田吾作・・・!
伝統のひやかけを・・・!
<あれ・・・!麺の太さが違う・・・!>
キレイに揃った麺。
その中に、一本だけ太いのを見つけて、テンション上がる。
<手打ちうどんならではの・・・こういうの・・・!
堪んねぇ・・・!>
そして、渡辺篤史。
なるほどぉぉぉ・・・!
わかりましたぁぁぁ・・・!
『カレーうどん & 揚げちくわ』
太いちくわが丸々一本。
田吾作の天ぷら類は、力強い。
ちなみに、『天ぷらうどん』のエビ天は、こんなのである。
ドーン・・・!
ドンブリ内に収まる気なんて微塵もねぇ・・・!
衝撃の長さ・・・ド迫力・・・!
圧倒的っ・・・!
職人芸・・・!
地元民に愛される店、田吾作。
田舎ならではの緩い雰囲気のうどん屋さんで、味のある良い店である。
◆ 手打うどん 田吾作(香南市野市町)
営業時間/11時~15時
定休日/月曜日・第2火曜日
営業形態/一般店
駐車場/有
(かけうどん温・冷390円、カレーうどん740円、天ぷらうどん610円、
かき揚げ110円、揚げちくわ110円、豚カツ210円など、中盛50円増、大盛100円増)
『手打うどん田吾作』の場所はココっ・・・!