行ってみたい・・・そう思い始めてから2年・・・!
ついに辿り着いた・・・住宅街の麺星・・・雅・・・!
その未知なる釜揚げ麺が・・・現るっ・・・!
眼前に・・・!!!
『釜たま(大盛)』
うどん屋に行くと『特盛(3玉)』にすることが多いのだけれど、
雅のメニューには『特盛』が無かったから、『大盛』にした。
<大盛は通常ならば・・・2玉・・・!
2玉ならば・・・!楽勝・・・!>
そう思っていた。
もし、お腹が張らなかったら、
帰りにハンバーガーでも食べて帰ろうかという勢いだった。
が。
そういう余裕・・・!浅はかな思考・・・!
それがこのあと・・・激戦の引き金を引くこととなるっ・・・!
釜たまを前にした竜一・・・!
混ぜる・・・!
混ぜる・・・!
タマゴと釜揚げ麺を・・・!
獰猛に・・・混ぜおおす・・・!
<麺の下にタマゴ・・・!
いわゆる・・・タマゴ下入れパターンでの攻勢かっ・・・!>
混ぜている最中、
箸を通して指先にビンビンと伝わる麺の感触に竜一は驚いていた。
<うおおぉぉぉ・・・麺が・・・箸に絡み付いてくる・・・!
独創的な感触・・・手ごたえ・・・未曾有の感覚・・・!
太い麺がうごめく様は・・・まるで龍が舞っているみてぇだぜ・・・!>
龍・・・!雅のうどん・・・!
それはまるで・・・龍・・・!
丼内で舞い踊る・・・!龍っ・・・!
既存の"うどん"というものの枠を超越しているように感じる、その太麺。
きしめんのように、幅が広いだけの麺ではなくて、
縦にも横にも太く、高知最大級に太い。
そして、所々が強く捻じれていたり、波打っていたりする。
<これは・・・とんでもねぇ麺に出逢っちまったかもしれねぇ・・・!
限界まで攻めて造り込まれた気配感じる・・・攻撃的な麺に・・・!
久し振りに出逢っちまったかもしれねぇ・・・!>
見た目同様、食感も独創的。
<ネットリとした舌触り・・・!
表面から芯までは柔らかく・・・猛烈・・・激烈にモチモチ・・・!>
それを・・・!
深部のアルデンテで跳ね返す・・・!
前代未聞・・・生まれて初めて体感するタイプのモチモチ・・・!
表面と芯とで・・・激変する・・・その弾力差・・・!
弾む・・・弾む・・・!
アルデンテが弾む・・・!
何処にも無い個性・・・!
それが醸す・・・小麦の可能性・・・!
圧倒的っ・・・!
麺ヂカラ・・・!
『ちくわ天』
<ううう・・・うんめぇ・・・!
表面サクサク・・・中ふんわり・・・!
俺のストライクゾーンど真中・・・!>
ちくわ天の理想・・・!
非の打ち所が微塵も無い・・・!
感動的なちくわ天だっ・・・!
想定外の攻め手に感動しながら食べ進んでいた竜一。
だが、7割ほどの量を食べ進んだ時、
異変起こる。
<見た目はそれほど多く見えなかったが・・・!
これ・・・!一本一本が太くてモチモチとしてるから・・・!
お・・・おおお・・・思ったよりも・・・お腹に来る・・・!>
自分でも分かるほどに泳ぐ視線。
<だ・・・だけど・・・ここでギブアップするわけにはいかねぇ・・・!
なんとしてでも・・・なんとしてでも・・・食べ切らにゃなんねぇ・・・!>
農業界のうどん野郎としてっ・・・!
迎えた勝負どころ・・・!
竜一・・・己の意地・・・!
ミクロ単位のプライドを賭けて・・・!
必死で食らう・・・!
<ぐっ・・・!ぐっ・・・!
はっ・・・!
あれは・・・!む・・・麦茶っ・・・!>
「ゴクッ・・・ゴクッ・・・!」
<ぷはぁぁぁ・・・!
麦茶が・・・うめぇ・・・!>
水を飲んではいけない・・・!
その大食いの鉄則すら破って・・・!
苦し紛れに手元の麦茶で流し込もうとする竜一・・・!
だが・・・!
雅の太麺は麦茶で流せるような・・・!
生半可な太麺ではなかった・・・!
<流れねぇ・・・!
子供に押されてもビクともしない力士みてぇに・・・!>
微動だにしねぇ・・・!
<こりゃぁ・・・ただの太麺じゃねぇ・・・!
太麺の中の太麺・・・!>
重量級の・・・!
極太麺だっ・・・!
<ううっ・・・くっ・・・!一打一打が重い・・・!
喉を押し広げながら通って・・・胃にズッシリと落ちる感覚・・・!
苦しい・・・苦しいけど・・・!苦しいのが・・・!>
イイっ・・・!
体内から溢れ出そうなほどの快楽と愉悦の果てに・・・!
辿り着いた終着駅・・・!
完食という名の終着駅っ・・・!
<凌いだ・・・一時は前代未聞の限界点を彷徨ったが・・・!
なんとか凌ぎ切った・・・!
辛うじて連続完食記録も継続・・・!>
夏場に入ってから麺量に苦しむことが多くなって、胃の弱りを感じる。
しかし、弱っていたのではギャル曽根は撃破出来ない。
ゆえに、私は大盛特盛を食べて夏バテの胃を鍛え続けるしかないのだ。
『かしわ天うどん(中盛)』
塩コショウが掛かっていて、
よくある『かしわ天』『とり天』よりも、
『唐揚げ』に近い雰囲気を感じる、かしわ天。
非常に香りの良い出汁は濃く感じるけれども、
ゴクゴクと飲めて、まったく嫌な濃さではない。
フワッと口の中で広がる、芳醇な味わい。
何の出汁を使っているだとかは、私には分からないけれど、
とても丁寧に作り込まれて生み出された味であると感じた。
食べ終えて代金を払おうとしていると、おじさんが問うて来る。
「うどんはいかがでしたか・・・?お口に合いましたか・・・?」
私は喉の奥から感じる、
『釜たま逆流の気配』を抑え付けながら、ゆっくりと発した。
「お・・・美味しかったです・・・!
め・・・めめめ・・・麺が凄くモチモチしてますね・・・!」
「あぁ・・・息子も今そこを研究していろいろやっているみたいです・・・!」
<つまり・・・まだこの上の次元のモチモチ・・・!
麺食感を求めているというわけなのか・・・!>
進化を続け洗練され続ける、雅のうどん。
次に食べたらどんな世界を魅せてくれるのか、楽しみである。
(右の画像はメニューです。クリックすると拡大して表示されます。
電話で注文してから行くと、待ち時間が短縮出来て良いそうです。)
◆ めん處 雅(高知市瀬戸)
営業時間/11時~15時
定休日/水曜日
営業形態/一般店
駐車場/2~3台分ほど有
『めん處雅』の場所はココっ・・・!