※ これから書くのは、昨年11月に 『手打うどん吉川』 に行った際の話です。
実は、吉川は昨年末から長期休業に入られているようで、
私が実際に吉川に出向いて確認したのは1月8日頃が最後。
その時はまだ休業されていました。
再開されたという話は聞きませんので、おそらく現在も休業されている可能性が高いです。
その点をご承知おきの上でお読み頂けると幸いです。(再開していたら教えてネ☆)
オープン当初は、自分の好きなタイプのうどんではないと感じていた。
しかし、新登場の『武蔵野風肉汁うどん』を食べて以来、二人の距離は急速に縮まった。
<面白くなってきたな・・・吉川・・・!
今度はお互い・・・ひり付くような勝負をしようじゃないか・・・!>
竜一、
三度、
襲来。
『手打うどん 吉川』
11時過ぎぐらい。
少し早めの時間だったためか、先客おらず。
カウンター越しにおばちゃんに注文する。
「醤油うどんの特大・・・!」
カウンターの奥では中年の男性が、
広い木の台の上に、伸ばした生地を広げて、
専用の器具に付いた包丁で切っている。
<手切りか・・・!>
真剣な眼差し。
包丁を下ろすたびに、「トン!トン!」と音が鳴る。
<職人さんが作業に没頭している姿は・・・!
なぜこんなにも美しく素敵なのか・・・!>
見とれていると、もう一人の男性が、
出来上がったうどんが入ったドンブリを、盆の上に置いた。
かたわらで会計を始めるおばちゃん。
瞬間、竜一、
僅かに慌てた。
「あっ・・・!」
などと小声で漏らしながら、
寸前のタイミングで、ちく天を皿に取って盆上に滑り込ませる。
<おおっ・・・あぶない・・・!あぶない・・・!
醤油うどんに天ぷら・・・この組み合わせは・・・牛丼に紅生姜・・・!
牛丼に紅生姜級のベストマッチ・・・この局面でのちく天は絶対に譲れなかった・・・!>
会計を終えて、店の隅に進行。
薬味を乗せ、麦茶を入れる。
着席。
『醤油うどん(特大)』
白くピカピカと光る麺は相変わらず、細め。
さらに小ネギと生姜。
驚いたのは、コレ。
大根までセルフっ・・・!
<大根を自分でおろさないといけないタイプの店は・・・!
たまにはあるが・・・!高知では珍しい・・・!
それも吉川がこの手の攻めを魅せるとは・・・いささか驚いた・・・!>
俺は今の今の今まで・・・!
心のどこかで吉川を甘くみていた・・・!
だが・・・!
もう毛ほども舐めたりはしないっ・・・!
羊の皮を被った狼めっ・・・!
<俺が醤油うどんを頼んだ瞬間から・・・!
俺に大根をおろさせる・・・そういう腹積りだったんだろうっ・・・!>
嬉しいっ・・・!
嬉しいっ・・・!
ありがたいっ・・・!
大根をおろさせていただけるなんて・・・!
ありがたき幸せっ・・・!!!!
大根に限らず、
生姜を自分でおろさなければならない店も稀にあるが、
竜一は意外とそういうセルフ感を好む。
「ズリッ・・・!
ズリズリズリッ・・・!」
嬉々としておろす、大根。
至福、至福、至福のすりおろし。
すりおろした大根を麺の上に乗せ、
いざ、醬油を垂らそうとしたその時、
さらなる衝撃が襲う。
この醬油・・・!
「キンッキンッに冷えてやがるっ・・・!」
綺麗に揃えられた麺線。
「クニュリ・・・!
・・・クニュリ・・・!」
<おおっ・・・この醤油・・・美味い・・・!
出汁醤油なのか生醤油なのか知らんが・・・!
ほんのりとした甘さがフワッと来る・・・!>
ケンカしていない・・・!
麺と醤油が仲良し・・・!
仲良く手を繋いでランランラン・・・!
とぉぉぉぉぉび込んでくる感覚っ・・・!!
<深いっ・・・なんと深い店だ・・・!
吉川は食べるたびに俺に新たなる一面を魅せ付けてくる・・・!>
そうして徐々に、
竜一は心のどこかで気が付き始めていた。
同じ店のうどんでも、
「かけ」や「醤油」
食べ方によって、変わる。
もっと言えば、
同じ店のうどんを同じ食べ方で食べたとしても、
日によって、微妙に変わる。
それこそが、うどんというものの面白さの核心なのだと。
<俺は開店当初に一杯だけ喰ったかけですべてを判断していた・・・!
今思えば・・・それは浅はか・・・!浅はかと言うしかなかった・・・!>
まさに藤川球児的・・・!
圧倒的・・・覚醒っ・・・!
吉川・・・!
物部川のほとりに佇むこの小さな店は・・・!
今まさに現在進行形で・・・!
俺の心のストライクゾーンに・・・!
浮き上がるような火の玉ストレートを・・・!
腕をしならせブチ込んできやがってんだっ・・・!
特大3玉とはいえ、
1玉の麺量が少なめである吉川。
<程よい・・・死線を彷徨う必要も無い・・・!
非常に良い具合に腹が張る量だ・・・!>
この先・・・吉川には定期的に通いたいな・・・!
ピリ辛鳥・・・なんてメニューも食べてみたい・・・!
そんな風に思っていた矢先の長期休業。
営業再開の日を心待ちにしている。
◆ 手打うどん 吉川(香南市野市町)
営業時間/11時~15時
定休日/月曜日(月曜が祝祭日の場合はその翌日)
営業形態/セルフ(丸亀方式)
駐車場/10台
(醤油うどん特大480円、武蔵野風肉汁うどん・並500円・大600円・特大700円、ちく天100円、など)
『手打うどん吉川』の場所はココっ・・・!