『エピソード1を読む』 『エピソード2を読む』 『エピソード4を読む』
オーダーを終えて待つ、竜一。
<それにしても・・・事は簡単じゃなかった・・・!
よもやの味噌カツ二択・・・!それを乗り越えた先にあったのは・・・!
北海道・・・!信州・・・!九州からなる・・・!>
味噌の三択・・・!
<二択の後の三択・・・すなわち二段階トラップ・・・!
これはキツかった・・・!だが俺とて國丸は初めてじゃない・・・!
國丸の味噌が三択なことぐらい・・・元々知っていた・・・!>
そして・・・その味噌三種・・・!
すべてを俺は食した経験があって・・・!
概ね味は把握している・・・!
<三種の味噌の中で最も自分の好みに合致していたのが・・・信州味噌・・・!
次いで・・・九州味噌・・・!一番好みじゃなかったのが北海道味噌だ・・・!>
一番好きなのは信州味噌・・・!
信州味噌が好きだからこそ俺は選んだ・・・!
九州味噌をっ・・・!!!
『九州麦味噌 味噌カツらーめん(大盛)』
"この局面で・・・竜一・・・!
一番好きな信州味噌を蹴って・・・九州味噌・・・!"
<この決断は容易じゃなかった・・・!
実際のところ来店前から・・・俺の予告先発は信州味噌に決定していたわけだから・・・!
だがメニューをつぶさに見てみると・・・九州味噌だけが麦味噌・・・!>
『麦味噌』の文字を見た瞬間・・・!
「ピン!」と来た・・・!
"ウチのオバ=ア汁も麦味噌・・・!
あの味・・・麦味噌の味にカツは絶対に合う・・・!"
そう確信したのさ・・・!
毎日のように麦味噌オバ=ア汁を吸ってる俺の確信に間違いはねぇ・・・!!
あとは記憶の泉から湧き出る麦味噌の香りに・・・!
ただ身を委ねるだけだった・・・!!
<って・・・!ナニコレッ・・・!>
カツ立ってるやんけ・・・!
<メニューには・・・!
カツを別皿に盛ることも可能だと書かれていたけれど・・・!
それはなんか違うっていうか・・・!>
それは「味噌カツラーメン」じゃなくて・・・!
「味噌ラーメンとトンカツのセット」に過ぎないのではないかと思っていた・・・!
<でもなるほど・・・!そうか・・・!カツを立てることで・・・!
カツがスープに浸かって・・・ふやけてしまわないようにしているのか・・・!>
ほぉぉ・・・ありがたいなぁ・・・!
これは・・・ありがたいっ・・・!
食べ初めから食べ終わりまで・・・!
ずっとひたすらサクサク・・・!
つまり・・・!
エンドレスふやけない・・・!
<ククッ・・・クククッ・・・!
長嶋さんも・・・きっと言うぜ・・・!>
「國丸の味噌カツは・・・!
永久にサクサクですっ・・・!」
<それにしても・・・こんな方式を編み出してくるなんて・・・!
國丸が抱える味噌カツエンジニアの開発能力は生半可じゃない・・・!>
ただカツを立てただけに見えるが・・・!
このやり方は凡人じゃ思い付かない・・・!
思い切って奇を衒った方策は思い付いても・・・!
こういう些細な創意工夫は意外と思い付かない・・・!
例えば料理でもそうだし・・・農業でも何でもそう・・・!
小さな工夫で大きな変化をもたらす事ほど意外と思い付かないもの・・・!
さらに・・・!立てているとは言え・・・!
カツの1割から2割がスープに浸っていることで・・・!
ちゃんと衣が味噌スープを吸って・・・味噌カツラーメンならではの感覚を・・・!
食べる者の舌・・・!
ストライクゾーンにバッチリ投げ付けて印象付けているあたり・・・!
圧倒的・・・!
玄人っ・・・!
カツの角度は60度っ・・・!
<ありがたいなぁ・・・!
こんな世界遺産クラスの絶景を拝めるなんて・・・!>
ありがたいっ・・・!!
アメリカまで行く必要は無かった・・・!
グランドキャニオンは・・・國丸の丼の中にあったんだ・・・!
(エピソード4へ続く・・・!)
『エピソード1を読む』 『エピソード2を読む』 『エピソード4を読む』