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『麺屋・國丸。南国店』
濃厚を求めてやって来た、この地、この店。
<久し振りだな・・・!
気が付けば俺達のあいだに横たわるのは・・・!
二年以上もの月日・・・!か・・・!>
フフッ・・・関係ない・・・!
乗り越えようぜ・・・!時の壁を・・・!
愛・・・!
勇気・・・!
味噌のチカラでっ・・・!
時々、店前の国道を通ると、
よく行列が出来ているのを目にする國丸。
そのため、この日も行列の懸念が拭い去れなかったが、
到着時、店前に行列は無し。
<ククッ・・・どうやらラーメンの女神が微笑んだようだな・・・!
これなら待たずに食べられそうだっ・・・!>
入店。
テーブル席、満席。
そこでカウンター席に座ろうとしていると、
親切な店員さんに、座敷も空いていると言われて、
なんとなく座敷へ行く。
<國丸には何度か来たが座敷は初めてだ・・・!
もしかすると・・・!お座敷遊びも・・・!出来るのかな・・・!>
優柔不断で知られる竜一だが、
意外にも、この時、既にオーダーを決定していた。
<今回・・・國丸に来ると決めた当初から既にオーダーは決定していた・・・!
ココに来るなら・・・!國丸に来るなら・・・コレしかないと思っていた・・・!>
喰わせろっ・・・俺に・・・!
味噌ラーメン屋の味噌カツを・・・!
与えろっ・・・俺に・・・!
國丸の比類なき味噌カツラーメンをっ・・・!
だが・・・威勢は束の間・・・!
珍しく早期にオーダーを決定していた竜一に・・・!
襲い掛かる・・・!
國丸っ・・・!
<えぇっ・・・!
なんっだよっ・・・これっ・・・!>
國丸の味噌カツは・・・!
二種類あるっ・・・!!
あなたならどっちのカツ・・・!
<筆舌に尽くしがたい無理難題・・・!
決められない・・・!決められない・・・!
どっちのカツにするかだなんて・・・そんな大それた事・・・決められないっ・・・!>
でもそれを決めなきゃ味噌カツにはあり付けない・・・!
腹を括れ・・・!決めろっ・・・!決めろっ・・・!
どうする・・・!
ヒレか・・・!
通常か・・・!
<うぅっ・・・ヒレは一日20食限定・・・!
これは惹かれる・・・限定の魔力・・・吸い込まれそうだっ・・・!>
いや・・・待て・・・しかし・・・!
この局で重要なのは限定かどうかじゃない・・・!
大事なのは・・・肉量・・・!
俺の胃袋・・・すなわち・・・宇宙を満たせるかどうか・・・!
ならばこの局面は重量級・・・!
重量級の通常味噌カツで凌ぎきる・・・!
<えぇと・・・店員さんを呼ぶには・・・これを鳴らせばいいんだっけ・・・!>
この時、
竜一、気付く。
おやおや・・・!
竜ちゃん映ってるしー!
(※ コレ鳴らしてもホントに店員さんが来るのか心配だったんですけど、鳴らしたら音速で来ました!)
かくして、オーダーを終えた竜一は、
期待に心を踊らせまくりながら、待つのであった。
(エピソード3へ続く・・・!)
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