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昨年の秋頃だったか。
開店したうどん屋があった。
交通量が多い国道に面した場所柄の為か、
その店は、開店前から随分と話題になっていた。
けれど、オープン当初の状態を、竜一はあえて避けていた。
が、明けた2012年。
機、熟した。
『おおつ製麺』
<ついに来たぜ・・・!
大津の新星っ・・・!>
早速、自前のスカウターで計測。
<ふむ・・・なるほど・・・セルフ店か・・・!>
入ってスグ正面に注文カウンター。
そばにホワイトボードに手書きで記載されたメニュー。
歩み寄って竜一、探す。
<醤油・・・!
醤油・・・醤油・・・!>
何気なく目の前に転がっているものほど、
見付からないものである。
この時も、きっとそこにあったハズの『しょうゆうどん』の文字、
それが、なかなか見付けられないでいた。
<無いっ・・・無いっ・・・!
何処にある・・・醤油っ・・・!>
目の前では、店員さん(女性・推定50代)が、
竜一の注文を、今や遅しと待っている。
<クッ・・・ダメっ・・・ダメっ・・・!
自己解決不能・・・!!>
セルフ店ならではの・・・!
注文カウントダウン・・・緊迫感に・・・!
押し潰されるっ・・・!
意、決した。
小指の先ほどしか無い勇気を振り絞り、か細い声で話しかける。
「しょ・・・しょしょ・・・!
醤油うどんって出来ますぅ・・・!?」
「出来ますよ・・・!」
「ほんなら・・・!
しょしょしょしょしょ・・・醤油うどんで・・・!」
一寸もドモらず、
滑らかに聞くと、
アッサリと醤油可決。
<ククク・・・他愛も無い・・・!
店員さんに話しかけることぐらい・・・!
その気になれば楽勝さ・・・!!>
(エピソード2へ続く・・・!)
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