活貝・海老料理 満潮(みちしお)

2012.06.19

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活貝・海老料理 満潮(みちしお)

2012.06.19

『土佐魚彩処 にしや』 → 「活貝・海老料理 満潮(みちしお)」 → 『Bar Optimista (バル・オプティミスタ )』
→ 『和楽路屋(わらじや) うどん・そば・ロボット屋台』


雨は一向に弱まる気配がなく、激しく降り続いていた。

けれども、そんな雨を物ともせず、
「にしや」の前の、広いブルーシートを宙に張った屋台では、
顔を赤らめた、たくさんの飲み客たちが、談笑しながらラーメンをすすっている。

ここはたしか「豚骨ラーメン」が有名な屋台だったか・・・。

それを横目に見ながら、
私は、このすぐ近くにあるという、貝料理の店を目指していた。

やはり「チャンバラ貝」のことが、諦め切れなかったのである。

今日チャンバラ貝を食べて帰らないと、
一生後悔するぐらいに思っていた。

活貝・海老料理 満潮(みちしお)
(看板の電気が消えているのは、帰り際に撮影したためです☆)

「満潮」と書いて「まんちょう」ではなく、
「みちしお」と読むらしい貝料理のその店は、「にしや」で飲みながらスマホで検索して見つけた。
便利な時代である。

しかし、貝なら何でもいいから食べたい、というわけではなく、
あくまで目当ては「チャンバラ貝」なので、
店に入ったら、まず最初にチャンバラ貝の有無を訊いて、無かったら別の店に行こうと思っていた。

だが、店前のボードに貼られた紙に、なんと!

私を狙い打つように「チャンバラ貝」と、
ハッキリクッキリ手書きで表記されていて、

やった!チャンバラがある!などと一気にドドン!と、
パン生地が膨らむみたいに、私の気持ちは盛り上がりをみせた。

意気揚々と店に入ったが、なかなかたくさんの人がいて、
「座れますか」と出てきた女性の店員さんに訊くと、
大丈夫だという素振りをしながら席に案内してくれる。

そのまま案内された席に座ると、突然店員さんが慌て始めて、
靴はここで、それから足をここへ、みたいなことを身振り手ぶりで言い始める。

つまり、「靴を脱いでくれ」ということだった。

まったく気が付かなかったが、
そこは「掘りごたつ式の座敷」だったのである。

私は「あぁー」などと言って笑って誤魔化しながら、靴を脱いだ。

テーブルの上には、網。
ここで貝を焼くのだろう。

メニューには貝がたくさん。
むしろ、貝以外のメニューは数えるほどしかない。

目当ての「チャンバラ貝」は塩茹でで出されるはずだから、
網で焼く必要はない。

けれども、折角だ。こんな機会は多くない。
是非とも目の前で、なにか貝を焼いてみたい。

そこで、メニューから「長太郎」「ハマグリ」を選出して注文。
二軒目だし、一杯目から焼酎をロックで煽りながら待つ。

活貝・海老料理 満潮(みちしお) お通し!

お通しで出された、サバと思われる魚の酢物。
これがまた身が引き締まっていて、非常に美味しい。

そして、お通しにも巻貝が入っている。
貝好きには天国。嬉しい。最高である。

ニヤニヤしながら食べて飲んでいると、きたきた!
本命の「チャンバラ貝」が登場・・・!

活貝・海老料理 満潮(みちしお) チャンバラ貝

逢いたかった!食べたかった!
やっと逢えたね、愛しのチャンバラちゃん!

爪楊枝を一心不乱に操り、
チャンバラ貝の身をほじくり出して、黙々と貪り食う。

「美味しい・・・!」

身がプリプリ!
噛めば噛むほど塩味が淡く広がって・・・迎えた。

俺の心が満潮(みちしお)を迎えた!

出逢うまでに苦労しただけに、感動も数倍増。

脳内で流れるエンディング。
やがてスタッフロールも終わろうとしていたが、お楽しみはそこからだった。

活貝・海老料理 満潮(みちしお) 焼ける長太郎
(※ 画像で長太郎と一緒に焼いているのは、本来出されるハマグリではなく、
ハマグリの数が足りないから、ということで出して頂いた、本来出されるハマグリよりも小さい貝です[呼び名は失念]。
本来の大きなハマグリも、あとから焼いて食べました☆)

現れたのは、注文していた「長太郎」と「ハマグリ」

しかも、長太郎は生きている!

皿の上で貝殻をパクパクと動かす長太郎に驚いて、
「すごい!動きゆう!」などと思わず歓声を上げると、
女性店員さんは、「どや!」という表情でニヤリと笑った。

「満潮」では基本的に、貝を焼くのは、
すべて店員さんがやってくれるようである。

飲みながら「すごい!すごい!」と、
相変わらず阿呆みたいな感じで、目を丸くして眺めている私の前で、
女性店員さんは、動いている長太郎やハマグリをトングで挟んで、
熱した網にひとつひとつ並べてゆく。

活貝・海老料理 満潮(みちしお) 焼ける長太郎3

パチパチと音を立てる貝たち。

焼けるに従って、貝殻の中に、
貝から出た出汁が充満していく。

すると店員さんが来て、ひとつの長太郎が持つ二枚の殻を、一枚ずつに切り離して、
身が付いていないほうの一枚に、身が付いているほうの底に溜まった出汁を移した。

どういう意味があるのだろうと思いながら見ていると、
その出汁の中に、ネギを入れた。

<そうか、長太郎から出た出汁でネギを炊いて食べるのか・・・>

もはやこれは、未曾有の贅沢だった。

炊き上がったネギは、貝の出汁の塩気と対照的に甘く、
塩辛さと甘さが交互に、あるいは、同時に来る場合もあって、
ネギの潜在能力が最大限に引き出された旨さ。

活貝・海老料理 満潮(みちしお) 焼ける長太郎3

焼酎をおかわりして、
焼きあがった貝本体も食べおおす。

活貝・海老料理 満潮(みちしお) 焼きあがった長太郎

肉厚、最高!

「満潮」の名物であるという、「貝ごはん」も薦めて頂いたけれど、
二軒目で、すでに何杯飲んだかわからないくらい飲んでいて、
ご飯を食べれる感じではなくなっていたので、自重した。

けれども、いま思うと美味しそうである。
貝ごはん、「お持ち帰り」したほうが良かったかな。

なにはともあれ、ついに念願のチャンバラ貝を食べた私は、
大満足で、ウキウキしながら雨の中、三軒目へと歩を進めた。

活貝・海老料理 満潮(みちしお) 青さのリ天ぷら
(実は満潮でも食べた「青さのり天ぷら」・・・好きです、青さのリ☆)

(三軒目へ続く・・・!)
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