【徳島・カピバラの旅】
『カピバラに逢いに徳島へ ~納豆の香りと共に~』 → 『192号線は麺だらけ』 → 『とくしま動物園 EP1/鳥に接近』
→ 『とくしま動物園 EP2/おねむの時間』 → 「とくしま動物園 EP3/待望のカピバラさん」 → 『動物園から鉄火場へ』
→ 『中華そば 田村』 → 『あすたむらんど徳島 & 巨大たらい』
「とくしま動物園」には「室内展望所」といったような施設があって、
その中から、人間が、外にいるキリンの目線と同じ高さで対峙できるようになっていた。
これまでキリンと同じ目線に立ったことは一度も無かった私にとって、
それは未曾有の体験だった。
ずっとずっと見上げるばかりだったキリンの顔が、
自分の目の前にあるのだ。
しかも、「とくしま動物園」のキリンは、
自分の仕事をよく理解していてサービス精神旺盛なのか、
あるいは好奇心旺盛なのか。
どちらかわからないが、
室内展望所の大きく開かれた窓際に立った私の近くに寄ってきてくれる。
率直に嬉しかった。
さっきまで遠くにいたキリンが私のほうに、わざわざ来てくれるなんて・・・。
ビールもキリンが大好きな私は、
キリンが近寄ってきてくれた、その行為にとても感動した。
「飲んでて良かった、キリンビール」
その時だった。
キリンの遥か後方で、茶色い小さな物体が動いているのが見えた。
瞬間、私は「じゃあの」と"竹原慎二"みたいにキリンに別れを告げて、
室内展望所を足早に出た。
<あれは・・・!
あれはもしかして・・・!>
その小さな茶色い物体は近付くに連れて、
徐々に大きくハッキリと映り、それが何であるか識別できるようになってゆく。
そして、それが完全にアレであると認識したとき、この胸のときめきは頂点に達した。
カピバラ・・・!
カピバラ・・・!
カピバラさんっ・・・!
<か・・・可愛い・・・!
歩いてるっ・・・ごはん食べてるっ・・・!>
初めて、実際に生で観るカピバラ。
その姿を、私は時が経つのも忘れて見つめ続けた。
つぶらな瞳。
フサフサの体毛。
短い四足。
すべてが愛おしかった。
こんなに可愛らしい動物は、
中越典子とカピバラさんぐらいだとも思えた。
トコトコと歩くお母さんカピバラに、
トコトコと付いてゆく、子カピバラ。
「青巻紙 赤巻紙 子カピバラ」
この早口言葉、私には言えない。
<あぁ・・・それにしても可愛い・・・!>
「連れて帰りたい・・・!
一緒に暮らしたい・・・!」
そんないけない衝動を抑え付けながら、
私は飽きることなくカピバラを観続けて、
カピバラの一挙手一投足を脳裏に焼き付けた。
(つづく・・・!)
『カピバラに逢いに徳島へ ~納豆の香りと共に~』 → 『192号線は麺だらけ』 → 『とくしま動物園 EP1/鳥に接近』
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