【徳島・カピバラの旅】
『カピバラに逢いに徳島へ ~納豆の香りと共に~』 → 『192号線は麺だらけ』 → 「とくしま動物園 EP1/鳥に接近」
→ 『とくしま動物園 EP2/おねむの時間』 → 『とくしま動物園 EP3/待望のカピバラさん』 → 『動物園から鉄火場へ』
→ 『中華そば 田村』 → 『あすたむらんど徳島 & 巨大たらい』
駐車場に車を停めて、濡れたアスファルトに足を下ろす。
高知を出たときから降ったり止んだりしていた雨は止んでいた。
それも、たったいま止んだばかり、という風な路面の濡れ具合。
傘をさして園内を廻るなどという煩わしいことは出来ればしたくなかったので、幸運だった。
頭上の果てしなく広い灰色の空と同様、
誰もいない駐車場は、ただただ広く感じて、
もしかすると休園日ではないのかと一抹の不安を抱いた。
けれども、そんなはずは無い。
休園日がいつであるかぐらいは確認してきている。
「まさか」という疑念を払拭できないままに、
テクテク歩いて達した入場口。
受付の中に人がいた。
中年の女性が入場券を販売している。
そこで料金を支払って、入場券を手にしたとき、やっと安心した。
今現在、間違いなく、とくしま動物園は営業されていて、
自分は中に入れるのだ!入ることを許されたのだ!
入ると、すぐさま急いで、
愛しのカピバラに逢いに行きたいところだったが、
とりあえず、トイレに入った。
トイレは重要だ。
トイレから出ると、木陰のベンチに、
小さな女の子とお母さんらしき女性が座っていた。
先客である。
とくしま動物園は、私の貸切ではなかった。
それどころか、奥には、
たくさんの幼稚園児だか保育園児だかの小さな子供たちと、お母さんたちがいる。
おそらく遠足かナニカだろうな、
ということは、大抵いつも察しが悪い私でも、おおよそ判断できた。
しかし、駐車場には私の車(フェラーリ)以外には、
一台たりとも停まっていなかったのに、一体全体どういうことだろう。
謎だったが、この謎は帰り際に解けた。
園児たちが乗ってきたバス用の駐車場は、一般車の駐車場とはまた別の場所にあったのだ。
「順路」と示された通りに園内を歩いて行くと、
高さ数十メートルはある巨大な檻が現れた。
私はプレゼントの包みを開けるときみたいな、
ワクワクした高揚感を湧き上がらせながら、その檻の中に入った。
檻の中には木々が生い茂り、無数の鳥の鳴き声が響き渡る。
木々の間に整備された歩道を歩き、木で作られた展望台のような所に上がると、
「そうがんきょうのおうち」と書かれた、小さな家の形をした棚があって、
中に双眼鏡が入れられていた。
だが、双眼鏡なんか必要ない。
手を伸ばせば触れられそうな位置に鳥たちを観ることができるのだ。
(※ 竜一先生は顔の調子が悪いので、今回だけ顔出しNGです)
暫し、鳥たちと戯れて、世間話などをした。
すると、やはり鳥たちは口々に、
「今日は平日やし、雨も降っとるしの、お客さん少ないわー!」と言っていた。
なるほどなと思った。
(つづく・・・!)
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