「夏限定」そんな言葉に誘われるようにして、
私は、このところ高知だけの新メニューを続々と投入している「たも屋」の"南国店"へ来ていた。
入口をくぐってすぐにあるカウンター。
見慣れた顔のオバチャン店員さんがいる。
「ツナサラダうどん・・・特大で・・・!」
オバチャンに注文すると、釜揚げ系を除く、
大抵のメニューを注文した場合と同じように、
麺だけを入れた器を渡された。
多くの場合は、そのまま"湯だまり"、
あるいは、それを回避して"天ぷらコーナー"へ進むのだけれど、
「ツナサラダうどん」は違った。
切った野菜が入った皿を渡され、
さらにカウンターの脇にウォーターピッチャーに入れて置かれた
"ぶっかけ出汁"をかけるように言われた。
たも屋で"ぶっかけ系"のメニューを食べるのは久し振りで、
出汁をどの程度かければ良いのか、よく言う"出汁感"が鈍っていて、イマイチ感覚が掴めない。
しかし、混乱の中でウォーターピッチャーを握って、
出汁を注ぎ始めた瞬間、鈍っていた出汁感が一気に蘇った。
「我こそがぶっかけ王なり・・・!」
元々、ぶっかけ出汁は少なめにかけるのが自分の流儀なのだけれど、
ツナサラダうどんにおいては、多めにかけたほうが麺と野菜が馴染むような気がして、多めにかけた。
そのまま「ゲソ天」を取って会計まで進むと、
好みでマヨネーズをかけろと言われた。
これまた、どの程度のマヨネーズ量が適量であるか、イマイチわからなかったが、
マヨネーズをかけ過ぎても、かけなさ過ぎても、それはそれで楽しめればいいじゃないか、
とも思えて、テキトーにグニュグニュとマヨネーズを麺上に搾り出した。
『ツナサラダうどん(特大) & ゲソ天』
別々に盛られた麺と野菜。
このままでは、「"ぶっかけうどん"と"ツナサラダ"」だ。
そこで、麺の上に野菜を乗せて「ツナサラダうどん」の成立を試みた。
が。
圧倒的野菜量・・・!
乗らない乗れない全部乗せきれるわけがない・・・!
<こんなことってあるのかよっ・・・!
俺のお気に入りの特大の器に全部乗せきれないなんて・・・!>
皿に盛られた野菜を、麺上にすべて乗せ切れなかった・・・!
これ以上乗せたら、野菜が器からログアウト。それは確実・・・!
昼時が近付いて続々とお客さんが入ってくる「たも屋南国店」の店内で、
野菜をテンコ盛りにした器を前に、「圧倒的光景・・・!」などと私は一人で呟いて感動した。
まずは、野菜をムシャムシャと食べて、
ある程度野菜を減らしたところで、いよいよ麺を引っ張り出す。
マヨネーズとぶっかけ出汁が絡んだそれは、
麺の表面をマヨネーズが包む感じで、舌触りがニュオーン・・・!
いつもの「たも屋」の麺は、表面に細かい凹凸があって、
舌触りがゴゴゴ!っとするのだけれど、
凹凸にマヨネーズが入り込んでいるのかなんなのか、ゴゴゴ!とせずに、ニュオーンとする。
噛むと、いつも通りの「たも屋」の麺食感だが、
舌触りがまったく違うため、新鮮な感覚。
新鮮な感覚を覚えたのは、麺の舌触りだけではなく、
マヨネーズが溶けた"ぶっかけ出汁"も、
冷やし中華にマヨネーズを入れたときみたいな、カドを削ったような味わいで、まろやか。
ぶっかけ出汁と、マヨネーズ・・・。
望外の好相性・・・!
いつものたも屋の、いつものうどんが、
いつもとは違う表情を魅せてくれて、すごく楽しめた「ツナサラダうどん」
やっぱり、創作うどんは面白い。
(※注: ツナサラダうどんは、高知のたも屋限定のようです)
◆ 手打ちうどん たも屋 南国店
(高知県南国市明見958-1)
営業時間/8時~14時30分
定休日/無
営業形態/セルフ
駐車場/有
(かけ、ひやひや、しょうゆ、釜たま、釜バターなど)
『手打ちうどんたも屋南国店』の場所はココ・・・!