高知市の夜の繁華街は、
いつまでも煌々と明るい光を放っていた。
常日頃、私が農作業に励む場所では、
日が暮れると、目を凝らしても天地の境目がまったくわからなくなり、
一歩踏み外すと、当たり前のように田んぼに転落してしまうほどの漆黒の闇に包まれるというのに・・・。
なんだか同じ"高知県"だということが信じられない・・・。
「葉牡丹」を出た私に、
次はどうするか、という予定は一切無く、
ネオンの灯りの元をアテもなく彷徨っていた。
すると・・・!
「和楽路屋きた・・・!」
高知大丸前に颯爽と現れた一台の車を見て、私は思わずそう叫んだ。
(和楽路屋さんでうどんを食べた話)
それを見たとき、麺が私を呼んでいるし、
私自身もまた、酒に浸りながら心のどこかで麺を渇望していたような気がしてならなかった。
<このままここで和楽路屋さんの開店を待って、うどんを食べるのもアリ・・・!
アリだがしかし・・・!
そういえば、最近この辺りにオープンしたという徳島ラーメンの店があったな・・・!>
飲んだ〆に、アッサリとしたうどんを汁ごと飲み干すのもいいが、
濃厚な徳島ラーメンに絡め取られるのも悪くないように思えた。
『徳島ラーメン 麺王 追手筋店』
食券制だということは、例のお母さんのブログ(にゃり♪)を読んで知っていたので、
おそらくお店の人にも初来店だと気が付かれていないだろう勢いで、食券販売機の前へ向かった。
メニューは基本的に、「徳島ラーメン」のみで、
あとはそれにチャーシューを乗せるか否か。
<チャーシューは乗せらんねぇ・・・!
土曜夜市と葉牡丹で散々散財してきたんだ・・・!
この局面で200円増しのチャーシューを乗せる・・・ダメっ・・・ダメっ・・・!>
これ以上の贅沢は絶対ダメっ・・・!
バチがあたるっ・・・!!
バチがあたるのが怖くて、
チャーシューを乗せる、それが出来ない。
よってオーダーは、チャーシュー無しの、
「徳島ラーメン」に決定。
さらに、麺の固さを、「やわらか麺」「ふつう麺」
「かた麺」「ばりかた麺」の四段階から選ばなければならない。
これは迷わない。
固い・・・固いのが・・・イイッ・・・!
「ばりかた来いやぁぁぁ・・・!」
『徳島ラーメン(生卵入り)』
5分ほど待って、若いお兄さんが持ってきてくれたそれは、
想定していたほど濃厚ではなく、わりと食べやすい仕様。
生卵無料が嬉しい。
その生卵は、
あらかじめ麺上に割り入れられて提供される形ではなく、
殻ごと丸々一個渡されて、それを自分で割る、いわゆる「自力割り」の形だった。
スープを残して、替玉。
再度の「ばりかた」発注。
徳島ラーメンのお店に入るのは、これで三店目だけれど、
過去二店は、いずれも大盛制で、替玉制になっているお店は初めて。
歩み寄って来た店員さん。
残したスープの中に麺を投入する。
いざ!ゆかん!二杯目!
一杯目を食べ終わる頃には、
わずかにのび始めていた麺が、
また新鮮な食感に切り替わっている・・・!
替玉は、その都度、店員さんを呼んで注文するのが面倒である一方、
これこそが最大の長所!
替玉は、何度でも蘇るっ・・・!
酔いによって揺らぐ意識の中で、
私はその"ばりかた麺"をモグモグと食べて、食べおおした。
◆ 徳島ラーメン麺王 追手筋店
(高知県高知市追手筋1-8-15)
営業時間/11時~深夜3時(※日曜は10時~24時)
定休日/無
営業形態/食券制
駐車場/無
『徳島ラーメン麺王 追手筋店』の場所はココ・・・!