<冷たいなぁ・・・ヒンヤリしてる・・・
アスファルトって・・・気持ちいい・・・!>
日付けも変わった深夜の繁華街で、私は寝ていた。
路上で寝るなんて生まれて初めてだったけれど、
蒸し暑い夏の夜においてのアスファルトの冷たい感触は、
クーラーボックスに入れる保冷剤みたいで、最高に良かった。
「景福宮」までは列車で行った。
普段はネパールの奥地でモデル活動などをしながら暮らしているので、
景福宮のスグ近くにある「土佐長岡駅」までの道のりは、なかなかに大変だった。
けれども、土佐長岡駅で列車を降りてからは、
徒歩1分か2分ぐらい・・・。
近かった。
ウサイン・ボルトなら2秒で着くのではないかと思えた。
『景福宮(きょんぼっくん)』
店内で、もろもろ合流した我々は、人数分の生ビールを注文した。
がっ・・・!
ドーン・・・!
<多すぎでしょう・・・!
多すぎでしょうが・・・モンチャン・・・!>
かつてフュージョンしてしまったほどの間柄である親愛なる門田氏は、
黒笑いを浮かべて、私の前に巨大な円柱を置いていった。
<なんだこれっ・・・どんだけ入ってるんだよ・・・!>
遠くの壁に、1リッター入っているとかいう旨を書いた紙が貼られているのが見えた。
<ちょっ・・・おまっ・・・!
俺はたしかに生ビールを注文した・・・!
注文したけれどもだね、こんな量を注文した覚えはないよ・・・!>
これを飲んだら体重が1キロ増えるってことかい・・・!
<そんな殺生な・・・!ダメっ・・・ダメっ・・・!
俺・・・いま・・・夏場に乗じて汗かいて減量キャンペーン期間中なのに・・・!>
でも嬉しい。
ネタを・・・ありがとう・・・。
乾杯してから、さっさと飲めばいいのに、
モンチャン渾身の作だからと、丁寧に愛情を篭めてカメラのシャッターを切ってから、飲んだ。
<泡のキメが細やかで旨いっ・・・!>
さすがは、"門田てんちょー"、そして「景福宮」だな!と思った。
お世辞抜きに、これまでに飲んだ生ビールの中でトップクラスに旨かった。
その瞬間、私の中で門田氏は、"門田てんちょー"から、
"ビールの門田"と相成った。
ツマミに、バイキングを取ってきた。
バイキングだから、もちろん取り放題。
いまだかつて、高知で韓国料理のバイキングなんてあっただろうか。
あったとしても、無かったことにしておきたい。
"ビールの門田"こと門田氏は、「竜ちゃん!バイキングだけで大丈夫なの!?」
みたいなことを言っていたけれど、大丈夫だ。
普段の私は、うどんなら10玉ぐらい平気だが・・・飲んだらあまり食べない。
少しは食べるが、あまり食べることが出来ない。
飲んだら、か弱い胃が、
「液体だけにして・・・!物体は、やめて・・・!」
と言うのである、本当である。飲んだら食べれないのである。
食べずに飲むから、後々、酔い過ぎて大変なことになるのである。反省。
海苔巻きとスンドゥブチゲ、登場。
<これは・・・これは食べておきたい・・・!>
それを一口食べたとき、
私の中枢に電流走る。
<旨いっ・・・!
スンドゥブチゲ・・・旨いっ・・・!
スープの味に奥行きがある・・・!>
忍者屋敷みたいだ・・・!
<一見、ただの壁に見えるところを裏返したら、
まだ隠し部屋がある・・・!>
景福宮のスンドゥブチゲは・・・!
忍者屋敷っ・・・!
忍者屋敷を経て、チヂミ登場。
先に食べた皆さんが絶賛されていたが、
人間不信である私は、「そこまで旨くないやろー!」と、
まったく信じていなかったのだけれど、食べてみると、たしかに旨かった。
驚いている、口が。
ただ、あんまり褒めちぎると、物凄くハードルが上がってしまって、
景福宮さん側も逆にイヤだろうから、この辺でやめておく。
でも、これだけは言いたい。
「こんなに美味しいチヂミ、初めて食べた・・・!」
あと、チャプチェが気絶しそうなほど旨かった。
イカキムチも、イカになってしまいそうなほど旨かった。
その後、焼酎なんかも飲んで、すっかり楽しくなってきた私は、
一所懸命に働いている、ひろし氏ぃぃぃぃぃぃぃを発見して、キラッ☆ってやってもらったりした。
~ いろんな人にキラッ☆ってやらさせる・・やってもらうシリーズ 【ひろし氏ぃぃぃ編】 ~
(※ ひろしさん、ありがとうございました!笑い)
景福宮を出てから・・・2次会・・・以降・・・グチャグチャに酔っていく竜一先生・・・。
みんなにサヨナラを言ってからが・・・、
ボクの夜のクライマックスだった・・・。
<冷たいなぁ・・・ヒンヤリしてる・・・
アスファルトって・・・気持ちいい・・・!>
遠くで男の人の声が聞こえる・・・。
「ここで寝んと、帰って寝ぇてよぉ・・・!」
目を開けると、男性が微笑して、コチラを見ていた。
<お巡りさんみたいな格好して・・・!
この人・・・警官のつもりなのかな・・・!>
次の瞬間、飛び起きた。
<って・・・この人・・・正真正銘のお巡りさんじゃないか・・・!>
「ふぇ・・・ふぇ・・・」などと、
言葉にならない声をあげて、私はフラフラと千鳥足でその場を立ち去った。
<冷たいなぁ・・・ヒンヤリしてる・・・
アスファルトって・・・気持ちいい・・・!>
あれ・・・。
俺・・・また行き倒れちゃったのかな・・・。
背後から「ガラガラガラ」とシャッターを閉める音がして、飛び起きた。
どうやら、お巡りさんに起こされたあと、
また私はどこかの店先で寝てしまっていたようだった。
歩いていると、どんどん意識が薄れてゆく。
ここ・・・!追手筋だ・・・。
タクシーが・・・!いっぱいいる・・・。
その中の一台の後部座席に倒れ込むと、
私は自宅のある地名を告げて、眠りに落ちた。
(※ 次の日は二日酔いで終日オワッていまして、いろいろ猛省しましたけど(苦笑)、
その次の日には復活して、元気に焼酎を飲みました!本当に楽しかったです!ありがとうございました!)