ツルツルツルツル、身体に麺が滑らかに入ってくる。
前に食べたときよりも喉越しが良いな、と感じた。
昼前の「まるしん」
混雑する12時台を避けたつもりだったけれど、
すでに、たくさんのお客さんが入っていた。
<群雄割拠の客か・・・!>
思わず私はそう呟いたかもしれない。
やはり客層は基本的に「まるしん」名物の大学生群だが、
背広を着た男性や、若い女性が二人で来ていたりもした。
馴染み深い「まるしん」のメニューは知り尽くしている。
私は一瞬メニューに目をやって確認してから、
水を持ってきてくれた店の女性に注文した。
梅雨入り直前だった5月末。
青空に白い雲がフワフワと浮かんで良い天気だった。
あとから来た若い男女二人連れの男性のほうが、
"ぶっかけうどん"を生姜にしてくれと店の人に頼んでいた。
「まるしん」の"ぶっかけ"は、
何も言わないと「ワサビ」をドンブリのフチに付けて出されるけれど、
言えば、「ワサビ」を「生姜」に代えることも可能である。
そのことは店内の張り紙にも記載されている。
まるしんでは、時々こういう注文の仕方・・・。
ワサビを生姜に代える人を見かけるけれど、生姜農家としては、いつも内心嬉しい。
<まぁ・・・俺はワサビで食べるがね・・・!>
私は、基本的に、まるしん側が「ワサビで食べてくれ!」という姿勢であるところを、
「いや、俺は生姜がいいんだ!」とまでは主張しない。
郷に入れば郷に従え、である。
しかし「ワサビ」が添えられるのは、あくまで「ぶっかけ」の話であり、
「しょうゆ」にあらかじめ添えられるのは「ワサビ」ではない。「生姜」だ。
「ワサビ」と「生姜」の使い分けに見る、まるしんのコダワリ。
『しょうゆ・冷(特盛) & ちく天』
<白い・・・!
入道雲みたいだ・・・!>
思わず私はそう呟いたかもしれない。
醤油を数周まわした白い麺を、
箸先で摘み上げて口へ運ぶ。
ツルツルツルツル、身体に麺が滑らかに入ってくる。
川の水が上流から下流へ流れるように、自然に。
ツルツル・・・!ツルツル・・・。
ツルツル・・・!ツルツル・・・。
カメカメ・・・カメカメ・・・。
<鶴亀算かっ・・・!>
思わず、私はそんな謎めいた一言を呟いたかもしれない。
わからない・・・。
まるしんのうどんは鶴亀算なのか・・・あるいは亀仙人なのか・・・。
わからない・・・!私には到底わからない・・・。
『しょうゆ・温(大盛) & 揚げ餅』
特盛3玉の麺が、残り半玉分ほどになったところで、柚子酢をかける。
すると味がガラリと変わって、またツルツル・・・ツルツル・・・。
◆ 手打ちうどん まるしん
(高知県香美市土佐山田町楠目339)
営業時間/11時~18時
定休日/月曜日
営業形態/一般店
駐車場/8台
冷山肉しょうゆ750円、肉ぶっかけ680円、ひやかけ380円、かきあげぶっかけ500円、スペシャルぶっかけ650円、
しょうゆ380円、温玉ぶっかけ480円、揚げ餅100円、中盛50円増、大盛100円増、特盛200円増など)
『手打ちうどんまるしん』の場所はココっ・・・!