『三里うどん本舗』
歩いて坂を上がると、
店の前の飲食スペースで、大将や奥さんたちが談笑していた。
私に気付いて、「どうぞどうぞ」と中へ案内してくれる。
食べるものは事前に決めていた。
"釜玉"だ。
<ゆで卵に・・・!
ベーコンエッグに玉子焼・・・!>
朝といえば、卵だろうっ・・・!
注文を受けてから湯掻いてくれるため、
前回同様、待ち時間は長かったけれど、うどんのためなら待つ。
これが恋人だったらどうだろう。
待つか?微妙だ。
私は壁に沿って作られたカウンター席に座って、
ずっとスマホで「Twitter」を見ていた。
みんな思い思いの呟きを投稿していた。
いくつか笑える面白い呟きもあった。私は呟かなかった。
大将に呼ばれた。
カウンターへ釜玉を取りに行く。
前回に無かったネギがあった。
ネギは刻まれて容器に入っていた。
生姜もあった。
前回は讃岐チックに、生姜の芋と"おろし金"がそのまま置かれていたが、
今回は、すでにおろされた生姜が容器に入っていた。
釜玉の上には、最初からネギが盛られていた。
でも私はネギがたくさん入っていたほうが好きなので、
容器のネギをさらに盛ってネギを増量した。
もちろん生姜も加えた。
それから席まで釜玉を運んだ。
あらかじめ器を温めているのか、器が灼熱だった。
『釜玉(大)』
これをかけてくれと渡されたのは、カマダのダシ醤油!
<イチイチ容器に移し替えない・・・!
この飾り気のなさ・・・これがイイっ・・・!>
きたっ・・・!
<なんと美しい絶景・・・!
きてる・・・!エッジ・・・!きてるっ・・・!>
(※ 拡大してみましょう。)
<すごいっ・・・!
ネットで見た・・・"あの"湾曲線っ・・・降臨っ・・・!>
麺の感じ。
前回とまったく異なる。
<前は・・・いわゆる"軟弱ゴシ"の系統というか・・・!
柔らかい中にコシがある・・・ムニュンムニュンの食感だったんだが・・・!
今回のはシコシコ・・・正統派のアルデンテ・・・前回より反発する位置が遥かに浅い・・・!>
おかわりっ・・・!
『ぶっかけ(大)』
<おぉっと・・・!
これは・・・!これはこれは・・・!>
麺上を黒く覆い尽くす・・・!
海よりの使者・・・!
圧倒的・・・海苔っ・・・!
海苔・・・海苔っ・・・海苔っ・・・!
乗りまくった海苔っ・・・!!
<スッキリ・・・爽やかっ・・・!
ぶっかけ出汁が秋風のように駆け抜けるっ・・・!>
『牛すじ(単品)』
メニューには書かれていなかったけれど、
「牛すじぶっかけ」の「牛すじ」を単品で出してもらえないかと訊くと、
可能だと言うので頼んだ。
釜玉の上に乗せれば、
「肉釜玉」の牛すじ版、「牛すじ釜玉」にして食べれた。
<全体的にフンワリした釜玉の中に牛すじ・・・合うっ・・・!>
相変わらずの優しい笑顔で送り出されて、坂を下りる。
「魔性の麺は変化するのではないか」
たしかに変化していた。
理由はわからない。わからなかったけれど、
私はなにか納得して、このことをこれ以上考えなくなった。
◆ 三里うどん本舗
(高知県高知市十津2丁目4-11)
営業時間/7時~14時
定休日/水曜日
営業形態/セルフ(カウンターで注文→席で待機→出来たら呼ばれる→食べる→支払い)
駐車場/8台(坂の下、"十津スーパー専用駐車場"と書かれた看板があるところ)
(釜玉500円、ぶっかけ500円、かけうどん350円、牛筋ぶっかけ700円、牛すじ単品250円、ちくわ100円など、大100円増)
「三里うどん本舗」の場所はココ・・・!