ラーメンの豚太郎 介良店

2012.11.28

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ラーメンの豚太郎 介良店

2012.11.28

豚太郎介良店 看板

子供のころのボクにとって、ラーメンは憧れだった……。

トンカツは……ヒーローだった……。

憧れとヒーローが、ひとつの器で共演する姿を初めて見たあの日。幼かったボクの心は揺れた……。

まるで思春期にした初めての恋のように……。

豚太郎 介良店

『ラーメンの豚太郎 介良店』
(とんたろう けらてん)

とにかく、なんだか「みそカツラーメン」が食べたくて、
みそカツラーメンといえば「豚太郎」だという概念から、
数年ぶりに「豚太郎介良店」の戸を開けた。

もちろん「介良店」じゃなくても、他にも豚太郎はある。
家から「介良店」に辿り着くまでにも、いくつかの豚太郎の近辺を通ってきたし、
「介良店」は私の家からいたって遠い。

それなのに、わざわざ「介良店」へ行ったのには・・・何の理由もない。

ただなんとなく行ったのだ。

私の人生には、
「何の意味もないこと」や「何の理由もないこと」が、
すこぶるたくさん存在する。

毎日、「もう!どうにでもなぁれ!」と呟きながら生きている。

「みそカツラーメンが食べたくてムシャクシャしていた!
豚太郎ならどこでも良かった・・・!」

そんな気持ちで訪れた「豚太郎介良店」なのだけれど、
「道を歩けば豚太郎に当たる」と言われるほど豚太郎群雄割拠の高知県において、
ここでこうして巡り合って戸と手で触れ合っている、介良店と私。

YES!これは運命!間違いない!

<キミに触れたのに理由なんてないとボクは言った・・・!
しかしそれはひとつの恋の始まりだったのかもしれないね・・・!>

若い男性の一人客が多い店内。
私は右手を突き上げて、挙手した。

道路を横断したいわけでもなければ、
タクシーを止めたいわけでもない。

遥か彼方の厨房にいる店員さんを、
呼ぼうとしているのである・・・!

<来いっ・・・来いっ・・・!
店員さん・・・!来いっ・・・!>

すると女性の店員さんが歩み寄ってくる・・・!

「ご注文、お決まりですか?」

<あぁっ・・・決まったぜバッチリ・・・!>

私は口を開いたり閉じたりしながら、
いっこく堂が持っている腹話術人形みたいにして発声した。

「みそカツラーメン大盛・・・!
それを・・・Aセットでっ・・・!」

Aセットとは・・・!
つまり!こういうことっ・・・!

豚太郎介良店 みそカツラーメン大盛 & Aセット(半チャーハン)

『みそカツラーメン大盛 Aセット』

<ふはっ・・・ふははははははっ・・・!>

Aセット・・・それは・・・!
天下無双の半チャンセットっ・・・!

豚太郎介良店 みそカツラーメン(大盛)

褐色の湖面に鎮座する・・・!
豚の豚による豚のカツっ・・・!
いわゆるトンカツ!ポークカツっ・・・!

豚太郎介良店 みそカツラーメン大盛 & Aセット(半チャーハン) 麺アップ

これがみそカツラーメン本来の形っ・・・!

私は、そのチャーハンを見るなり発した。

豚太郎介良店 みそカツラーメン大盛 & Aセット 「半チャーハン」

「丸っ・・・!」

豚太郎介良店 豚坦麺 とんたんめん

『豚坦麺』
(とんたんめん)

豚太郎介良店 豚坦麺 メニュー

メニューには、「豚坦麺(タンタン麺)」と記してあった。
「豚」という漢字の上には、「とん」と、わざわざ仮名がふられていた。

注文時、私は「とんたんめん!」と発声した。
なぜだかとても恥ずかしかったにも関わらずだ。

<豚太郎介良店では・・・!
タンタン麺のことを「豚坦麺」と呼ぶのか・・・!
ならば郷に入れば郷に従うべき・・・!>

と考えたからだ。

<ふり仮名までふられてんだ・・・!
客の側としても・・・期待に応えなければ・・・!>

と、私も気を使ったのだ。
なぜだかとても恥ずかしかったにも関わらずだ。

けれども、しかし注文を取りにきてくれた女性店員さんは、
「たんたんめんですねっ☆」と何のためらいもなく復唱した。

その瞬間、私は悟った。

世の中、不条理っ・・・!

豚太郎介良店 ぎょうざ

『ぎょうざ』

みそカツラーメンにチャーハンに、ぎょうざ。
いわば、ご老公に助さんに、格さん。

フルコース、堪能して家路に着いた。

豚太郎 介良店

◆ ラーメンの豚太郎 介良店
(高知県高知市介良乙1060-6)
営業時間/11時~21時
定休日/木曜日
駐車場/有

(みそカツラーメン780円、Aセット+300円、豚坦麺700円、ぎょうざ350円など、大盛100円増)