「下り編を読む」
「中四国ご当地イケ麺コンテスト」でグランプリに輝いた、
超すごい麺、「よさこい混ぜ麺」を食べおおした私は、
次なる麺舞台、『南国SA(上り)』を目指した。
「南国SA(上り)」は、
「南国SA(下り)」の向かい側。
だが高速道を横断することはできない。
そこで裏技。
高速道の下に掘られたトンネルから、
上りの南国SAへ行く。
車で1分。
到着・・・!
『南国サービスエリア(上り)』
<いやぁ・・・すごいっ・・・立派な建物だ・・・!
これはアレかい・・・?中世のヨーロッパの建築様式を取り入れたとか、
そういう雰囲気のものなのかい・・・三角屋根の傾斜が見事っ・・・!>
早速!南国SA(上り)と!
記念撮影っ・・・!
キラッ☆
<よしっ!やらなければいけないことは、やった・・・!
これで心置きなく食べれるぞぉッ・・・!>
入口で!
ポスター発見!
<これこれこれ・・・!
これだよ!これっ・・・!>
四万十鶏・・・!
大人のつけ麺・・・!
<上りの南国SAでしか食べられないという、
物凄く貴重な麺・・・!これを食べるためのダブルヘッダー!>
この麺と出逢わなきゃいけないから・・・!
さっき俺は下りで、鍋焼きカレーラーメンを、
我慢したんだから・・・!
<鍋焼きカレーラーメン食べちゃったら、
さすがにもう!大人のつけ麺は食べられないなと!
さすがにもう!大人しくつけ麺食べずに帰るしかないなと!>
フードコートへ進入。
そして食券購入!
なぜか!いも天の食券も購入!
券売機横のパネルに、
「南国名物!」と書かれていたのである。
<いも天が南国名物だったとは、知らなかった・・・!
南国名物なんだったら・・・食べるしかないでしょう・・・!>
気が付いたときには、
券売機の「いも天」のボタンを力強く押していた。
時間が昼のピーク時を過ぎ始めようとしていた関係もあるのだろうけれど、
上りの南国SAは、下りほど混んでいない。
とは言っても、たくさん用意されている席は、
7割がた埋まっている。
私は初めて訪れる空間に、
キュンキュンしていた。
上りのSA。
これから高知を去ろうとしている人たちばかりだ。
<達者でな・・・!>
そう心の中で居合わせた人々に
カッコ良くテレパシーを飛ばしている最中。
場内アナウンス。
「食券番号79番!大人のつけ面!
食券番号80番!いも天でお待ちのお客様ー!」
<あぁっ・・・すんません・・・!
恐縮です・・・いま行きます・・・!>
小走り・・・!小走り・・・!
カウンターへ・・・小走り・・・!
登場。
『四万十鶏・大人のつけ麺』
下りのイチオシがうどんならば・・・!
上りは・・・ラーメン・・・!
<麺の上に乗っているこの肉が四万十鶏か・・・!
こんがり!焼かれているッッッッッ・・・!>
鳴く鶏も黙るっ・・・!
圧倒的絶景・・・展望・・・!
添えられた「四万十鶏・大人のつけ麺美味しい食べ方」によると、
まず「がらスープ」をかけて、麺をほぐせば良いらしい。
それから山椒をツケダレに入れれば良いらしい。
説明通りに器の上側を持って、
ヤケドに注意しながらスープをかけていて気が付いた。
<これはまさしく!ぶっかけうどんと同じ要領・・・!
おいおい・・・コイツはタダのつけ麺じゃないぞぉっ・・・!
コイツは・・・日本の麺百景にも撰ばれる名勝・・・!>
ぶっかけつけ麺様だっ・・・!
ズンッ・・・!
どういうわけかガチガチに固まっている麺を、
がらスープと、優しさと、真心で、解きほぐしてゆく。
そして!褐色の
ツケダレに!ドボン!
ついに食える!
<うわっ!すごい!四万十鶏!肉厚の歯応え!
噛めば噛むほど肉の中から四万十の空気が・・・!
四万十ォォォー!四万十ォォォー!言いながら香ってくる・・・!>
そのとき!突然!
芽生える!好奇心!
<これって・・・ツケダレに浸けないで、
"がらスープ"をかけただけの状態だと、どんな味がするんだろう!>
そこで!実際に!
浸けずに食べてみる。
<・・・!さ・・・さすがに味がかなり薄い・・・!>
いろいろ試しながら、
せっせと食べて食べおおして!
完食・・・!
<麺が入っていた器に溜まった"がらスープ"も・・・!
最後・・・ツケダレに全部入れて飲んでやったさ・・・!>
ツケダレの器の底に、
食べているときは感じなかった山椒が沈殿していたようで、
あとから舌がビリビリした。
<俺・・・そういえば・・・!
山椒を入れたはいいけど・・・!
混ぜてなかったな・・・!>
済んだこたぁいいんだよ!
デザートに!
いも天・・・!
予想外の形状!
<丸い・・・!>