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本日からは、昨年の「金婚・鹿児島放浪記!」以来となる、
長編シリーズが始まります!一体!第何話まで続くのか!
誰にもわかりません!それでは時間を1月21日月曜日へ戻します!
━━━1月21日(月)
午前、畑へ向かう直前。
歩み寄って来た
オバ=アが、唐突に言う。
「今度!25、26、27と!伊豆へ行くき!
アンタも行くようになっちゅうきね!」
伊豆っ!?
なにも聞かされていなかった私。
わけがわからない。
伊豆の場所すらよくわからない。
「伊豆ってどこやったっけ?」
「静岡・・・!」
その瞬間、
時が止まった気がした。
静岡!!!
瞳孔が、
開いて戻らない。
「え・・・!
いつ行くって言うたっけ?」
「25、26、27・・・!
今度の金曜からよよー!」
「今日、月曜やき・・・
火水木・・・4日後・・・?」
私とオバ=アのやり取りを、
横で聞いていたオビ=ワンが言う。
「昨日、おまんがおらんときに、
おまんのオカンが来ちょって、
オカンとオバ=アが勝手に話を決めてしもうた!」
<うぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!
静岡ッッッ!静岡ッッッ・・・!>
脳内、
真っ白。
「俺、行くつもりしちゃぁせんかったき!
準備もなんちゃぁしちゃぁせんで!」
(行く予定じゃなかったから準備も何もしてないよ、の意)
どうやらオビ=ワンが、数え年で77歳、
いわゆる「喜寿」を迎えることを祝って、
伊豆へ温泉旅行に行こう!ということのようであったが・・・。
オビ=ワンは、
完全に出汁。
間違いなしに!
ただオカンとオバ=アが、
温泉へ行きたいだけのことである。
<金婚だ!喜寿だ!なんて祝いまくってたら、
果てがないよ!ホントに!去年の鹿児島旅行が、
喜寿の祝いを兼ねてる!ということでイイんじゃないのか!>
だが、もうすでに、
オカンは旅館を予約したらしい。
後戻りはできない。
「髪!切らんといかんかな!」
私は昨年8月以来、
5ヶ月間にわたって伸ばし続けていた髪を気にした。
「そりゃ!切らないかん!」
とオバ=アは言った。
しかし、私の面倒くさがりっぷりは
生半可な次元ではない。
切りに行くのも面倒だと思えた。
「まぁ!かまんか!」
と私はウヤムヤにしようとしてみた。
「いかん!いかん!
切ってきい!」
とオバ=アは言った。
━━━翌1月22日(火)
午後、高知市へ走る。
『美容室・リグレッタ』
<今度、りぐるなら・・・!
リグレッタと決めていたんだ・・・!>
この「美容室リグレッタ」
社長の八木さんがブログ「一語一映」を書かれていることもあり、
高知のネットサーファーのあいだでは、かなり有名な美容室である。
入店。
圧倒される農民。
<おおお・・・!
どこかの高級ホテルみたい・・・!>
本当にホテルのフロントみたいになっているところで、
予約していたことを伝えると、そこの椅子に座って待っていてくれと言う。
示されたほうを向くと、
これまたホテルのロビーみたいになっているところに、
いくつかの椅子が並べられていた。
この時点で、
かなりビビる。
しかし平常心を装い、
ふてぶてしい表情をわざと浮かべながら腰を下ろす。
どうも。
生姜農家で
ございます。
という雰囲気を漂わして、だ。
八木さんのブログで見たことがある顔の男性に紙を渡されて、
<おお!アナタ見たことある!>と思いながら必要事項を記入する。
見たことある!と思いながらも、
私はあくまでも<アナタ!知りません、誰ですか?>
みたいな態度を取る。
<美容室で自分がどういう風にすればいいのか!
それがわからないのだよッッッ・・・!>
テンションを上げたほうがいいのか、
どうなのかわからないとき、私は大抵、大人しい・・・。
<テンションを上げるか下げるかしかない俺の辞書に!
"自然体"などという言葉はないッッッ・・・!>
常に、
不・自然体。
必要事項を記入したあと。
「竜一さんチェックインでーす!」
みたいなコールと共に、奥へ・・・。
<チェ・・・チェックイン・・・!?>
コールがなされた瞬間・・・!
心なしか!拍手さえ聴こえる勢い・・・!
<なんかすごい!なにこれ!
俺・・・!エライ人みたい・・・!
本当はただのエロイ人なのに・・・!>
断髪!
(上の画像と以下の2点の画像は、八木社長のブログから拝借しています!)
早速、切っていただく!
染めてもいただく!
担当は!
田鍋さん!
「眉は染めないの?
眉だけ黒かったらおかしいでしょ!」
という話に、なるほど!そりゃそうだ!と納得して!
眉も染める!
切り終わって、
染め終わって、お会計!
お会計が終わったとき、
八木社長の姿は見えなかった。
私は思った。
<このままソソクサと逃げ帰ろう・・・!>
がっ!
八木社長!現る!
<あらららら・・・!どうして・・・!
どうして俺のお帰りに・・・!
お気付きになられたのッ・・・!>
逃亡に失敗して、
戸惑う私。
「えへっ・・・!
呼んできちゃいましたー!」
と笑いながら言う田鍋さん。
<ちょっ!呼んできちゃわなくて
よかったんですけどぉぉぉ!笑>
そして!
「では・・・!
お約束のアレを行きましょうか・・・!」
みたいに言い始める八木さん。
キタッ・・・!
「は・・・はい・・・!」
観念した私に、
田鍋さんが流暢に言う。
「では!竜一さん・・・!
右手をカメラのほうへ向けて!
人差し指と親指で!L(エル)!をお願いします!」
まるで!
観光地っ!
田鍋さん!
完全に言い慣れている!
ウケた。
心の中で。
<もう覚悟は決めた・・・!
それでは・・・!>
イクぞぉー!
イチッ!
ニッ!
サンッ!
ジョジョ立ち!
りぐれたね・・・!
八木さんのキメポーズと・・・!
竜一のキメポーズを合体させた最強のポーズ!
<俺はこれをやってやろうと・・・!
何日も前からずっと考えていたんだ・・・!!>
だが!
初めてのリグレッタで
恥ずかしさの呪縛を祓いきれず!
反り具合で・・・!
八木さんに負けた・・・!
<うぐぐっ・・・!
こんなはずでは・・・!>
次回はもっと反るぞ・・・!
ジョジョォォォォォッッ・・・!
やることはやって、任務終了!
というわけで帰ろうとしていると、
八木さんに呼び止められる。
写真を1枚撮ってくれ、と言う。
私も数年ブログを書いていて、
「撮っていいですか?」と断って撮ることは多々あっても、
「撮ってよ!」と言われたのは始めてである。
めっちゃ!
出たがりじゃないですか!社長!
心の中でウケながら、
カメラのシャッターを切る。
この2人・・・!
ノリノリである・・・!
(※ この記事の話を八木社長の目線から見ると、
また違った感じになっていて面白いと思うので!是非是非!
八木社長のブログ → 「生姜王子、りぐりにくる」)
【次回予告】
突然の静岡行き決定に!リグレッタで慌ててりぐった竜一!
次回!ついに!伊豆がどこにあるのかも知らなかった男と!
爺さん婆さんとオカンが!アンパンマン列車で旅立つ!お見逃しなく!
(第2話へ続く!)
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