『第14話を読む』
(* 第14話を書いた約13ヶ月後にこの第15話を書いています。この物語はざっくり説明すると、オビ=ワン、オバ=ア、オカン、竜一の4人が2013年1月に行った静岡県旅行記です)
━━━2013年1月26日(土)午後3時頃
静岡県賀茂郡河津町にて━━━
「人が誰っちゃあ…おらんやいかー」
駐車場に降り立った私はそう言って辺りを見渡した。
「いまシーズンオフで、ひょっとしたら…なんちゃあないかもしれん」
オカンが苦笑した。
伊豆半島南部の町、下田市をあとにした我々は高級なレンタカーを駆り、北東に進んだ。
『河津バガテル公園』
公園の入口に看板があった。
フランスがどうじゃらと書かれている。
「フランスにもおんなじような名前の公園があるが?」と私はオカンに訊いた。「高知でいうモネの庭の…静岡版みたいながか…!」
「なんでそれっ!」
オカンが笑うとオバ=アも笑った。
オビ=ワンはまったく話を聞かずに、一人で入口へズンズン歩いていく。
立派な門だ。さすがは超一流の門、凱旋門がある国の門だ。
<いかにも本気で作った門!って感じ…!門に対する情熱のこめ方…その次元が違う…!>
圧倒的!門柱っ…!
大きな水溜り。夏なら泳いでいるところだが1月だから泳がない。
私は水溜りをぼんやり眺めた。
水溜りを眺めていると無心になれる。
どれだけ眺めていただろう。
ふと周りを見ると、他3人がいなくなっていた。
<ちょっ…おまっ…!置いていくなし…!>
慌てて園内を捜索。すると喫茶店みたいな建物の中に他3人を発見。
いやぁ寒いときに、このナントカっていうカタカナのお茶!五臓六腑に沁み入るぜ!
4人でお茶を飲んだ。
そのあとトイレに行った。
バガテル公園、終了。
それからすぐ近くに、桜を観れるスポットがあるというので行ってみた。
がっ…!
1月に桜は咲いていなかった。
「なんぼ言うたち…まだ桜が咲くにゃぁ早いわや!」
オビ=ワンがもっともなことを言った。
(満開時にはこんなになるんだって!綺麗だね!綺麗だね!)
「なんでも時期というもんがあるきねゃ!」
オビ=ワンの訓示を聞きながら河津町をあとにした。
(第16話に続く…!)
『第16話を読む』