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就寝。
・・・その前に
記念撮影・・・!
起床!
露天風呂へ。
この宿に、ひとつしかない露天風呂は、
男女の入浴可能時間が入れ替わる方式。
昨夜、オバ=アとオカンが入って、
オカンはともかくオバ=アが絶賛していたので、
どんなものかと私とオビ=ワンも入ってみる。
外気温は、おそらく1℃ぐらい。
「おぉ・・・こら寒い・・・!」
と言いながら、私とオビ=ワンは、
脱衣所である小屋から風呂までの10歩ほどを、裸で駆けた。
そして、そのわずか10歩ほどのあいだに、
一気に芯まで冷えた体を温泉に浸かって、
今度は一気に温める・・・!
<うおぉぉぉっ・・・!温かい・・・!
骨まで温もりが伝わってくるッ・・・!
ゴゴゴ・・・極ッッッ・・・楽ッッッ・・・!>
朝食。
仲居さんが置いていったお櫃(ひつ)には、
たくさんの白米が入っていたので、
私は4杯ほどおかわりして全部食べてやった。
「アンタ朝からよう食べるねぇ!」
とオカンが目を丸くする。
「いっぱい食べて大きくならんと・・・」
と笑う私にオビ=ワンが言う。
「喰え喰えー!
残いたら勿体無い!」
「オカズがいっぱいあるき、ごはんがないと、
俺・・・オカズだけでよう食べんがよね・・・」
と私が本音を漏らすと、オカンは頷いた。
食べ終えて着替えたり、
荷物の整理をしたりしていると、
オバ=アが部屋の隅にあった額を見つけて言う。
「ちゃっ・・・!この部屋・・・!
高濱虚子が泊まったいうて書いちゅうで!」
「ホンマやろかねぇ・・・」
と私は疑ってかかった。
オビ=ワンとオカンは反応が薄かった。
部屋を引き払ったあと、
我々は、一旦、宿のフロントに荷物を預けて、
周辺を歩いて散策することにした。
<外は寒いだろうなー>
と思いながら玄関で靴を履く。
すると、先に靴を履いていたオカンが言う。
「靴がぬくいー!」
「ちゃっ・・・!
靴がぬくいちやっ・・・!」
とオバ=アも言う。
なんと・・・!
靴が温められているのだ・・・!
一同、感激。
私は思わず、
「秀吉みたい・・・!」
と口に出して言ってしまった。
目的地へ足早に歩くオカン。
キョロキョロと周りを見ながら着いて行く、他3人。
修禅寺。
この場所の地名は「修善寺」であるが、
寺の名前は「修禅寺」なのだそうだ。
漢字が違うだけで、
読みは同じ「しゅぜんじ」
そして、さすがは伊豆。温泉地。
柄杓がある手洗い場から出ているのも、
水ではなく、温かい温泉だった。
参拝、終了。
通りすがりに
湯気が上がる場所を見つけて、私は言った。
「足湯があるで・・・!」
オカンも言った。
「足湯があるねぇ」
オビ=ワンとオバ=アは、
足湯に興味がなさそうで、ロクに見向きもしない。
はりまや橋風味の橋を渡って、竹林へ。
竹だらけ。
梅の絵だったか写真だったか・・・も見た。
それから我々は宿へ戻り、
フロントで預かってもらっていた荷物を受け取って、
またレンタカーに乗り込んで旅立った。
行く先は、南。
伊豆半島南部の町、下田市である。
(第11話へ続く!)
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