【追記】「二十四万石」は閉店されました。おいしいうどんをありがとうございました。
イリコ・・・カツオ・・・昆布・・・。
私はうどんを食べて、かけ出汁を飲んでも、
出汁に何が入っているかなんて、強烈な場合はわかるけれど、
ほとんどの場合において、わかっていない。実は。
でも、そのかけ出汁の中に
「優しさ」という出汁が入っていることだけは、
私にもわかった。
『うどん専門 二十四万石』
初めて訪れる高知の老舗。
有名らしくて、名はよく聞いていた。
店の中にはオバチャンがいて、
そのオバチャンが一人で切り盛りされているようだった。
オバチャンは、終始ニコニコ微笑んでいた。
私は「五目」を注文した。
<普段は五目うどんをあまり食べないのに、
こういう老舗に来ると食べたくなるのは、どういうわけだろう>
と、注文したあと私は考えていた。
店の隅にあるテレビから聞こえてくる
いろんな人の声が、静かな店内に響く。
しかし、私はそれを聞いてはいなかった。
老舗に来ると「五目」を食べたくなる、
深層心理の謎に迫らなければならないのだ。
テレビを観ている余裕はいまはない。
『五目うどん(大盛)』
「大盛」は200円増し。
高めだなと思ったけれど、
その料金設定はある意味妥当だった。
『かけ』
「かけ」の並。
これとの比較。
注目は器の大きさ。
圧倒的・・・!
体格差ッ・・・!
<大雑把に見ても・・・!
五目の大盛は・・・かけの並の2000倍はある・・・!>
厨房のほうを見ると、
オバチャンは相変わらずニコニコ微笑みながら、
なにか作業をされている。
<あんなに和やかな雰囲気のオバチャンが・・・!
こんな攻撃的な一撃を繰り出してきただなんて・・・!>
オバチャンのギャップ攻めが、堪らない。
太平洋の海原から麺を取り出すみたいな感覚で、
私は麺を黙々と口へ運ぶ。
<うぅーん!この見た目の強さ!
すっきり爽快な後味の切れ味ッ・・・!>
正確な数字はわからないけれど、
1リッターほどは確実に入っていると思われるかけ出汁を、ゴクゴク飲む。
かけ出汁は私のお腹を膨らます。
<苦しい・・・さすがにもう飲めない・・・!
苦しい・・・!苦しいよ・・・!
でも・・・苦しいのが・・・!イイッ・・・!>
私はうどんを食べて、かけ出汁を飲んでも、
出汁に何が入っているかなんて、強烈な場合はわかるけれど、
ほとんどの場合において、わかっていない。実は。
でも、苦しみながら飲み干したそのかけ出汁の中に、
「優しさ」という出汁が大量に入っていることだけは、
私にもわかった。
◆ うどん専門 二十四万石
(高知県高知市本町3-6-34)
営業時間/聞くの忘れた(自分が行ったときは14時過ぎても空いていた)
定休日/同上
営業形態/一般店
駐車場/有(店の東側)