『龍馬茶屋』(高知市・ひろめ市場内)
(食券販売機で食券を購入して注文)
<苺氷り・・・!>
「さきっちょ」でチューリップを購入しているときに、後ろを振り返って驚いた。<ここにもあったのか・・・!>
「さきっちょ」の向かいにある『龍馬茶屋』
その店先に貼られたカキ氷の写真。脇には記憶にある文字が並んでいた。
『苺氷り』
私が苺氷りを見かけるのは初めてではなかった。
数ヶ月前に別の場所で見かけたことがあった。
私は甘い物が苦手だ。
でも、そのときは様々な事情が重なったこともあって、いったいどういうわけか苺氷りを食べてみたかった。
そして実際に私は苺氷りを購入して食べた。
苺氷りは、平たく言えば「カキ氷」だと思うけれど、私が知っているカキ氷とは違った。
氷はサラサラと新幹線みたいな速度で融けて、苺と練乳の甘味は奄美大島みたいな広がりを魅せた。
とにかく私は苺氷りと意外な場所で再会できたことが、なんだか嬉しくて、またここでも苺氷りを食べてみることにした。
券売機で食券を購入してオバチャンに渡す。
オバチャンは食券を受け取ると、微笑を浮かべながら"苺氷り製造マシーン"の前に向かった。
そして使い捨ての手袋を両手にはめて、透明の容器を左手に持ち、マシーンの電源を入れてガリガリやり始める。
赤い半袖Tシャツ。背中には「よさこい」の文字が踊る。
オバチャン、すごく丁寧。
時間をかけて入念にガリガリやってくれている。
さらに時々マシーンを止めて、シロップや練乳をかけてくれている。
<ありがたいっ・・・!>
と私はオバチャンの後姿を見つめながら思った。
<あぁっ・・・それにしても・・・ありがたいっ・・・!>
入念な制作ののちに完成した苺氷りを「どもども!」と受け取って、平日の昼間は閉まっている『ファミーユ』の近くの席に腰を下ろして食べる。
<おぅぅぅぅん・・・!>
前に別の場所で食べたのとナニカが微妙に違うのか、まったく同じなのか、私にはよくわからなかった。
わからなかったが、しかしとにかくそれは、サラサラと新幹線みたいな速度で融けて、苺と練乳の甘味は奄美大島みたいな広がりを魅せた。
そして、それは「ちゅうにち」で温められた身体を、桂浜の潮風、あるいは微風でかけた扇風機のように優しくクールダウンさせていくのだった。
(続く・・・!)(*´з`)
『苺氷りを食べる前に、ちゅうにちを食べた話』