【閉店】らーめん工房 りょう花南国店 冷やし鶏塩らーめん(大盛)

2013.09.01

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【閉店】らーめん工房 りょう花南国店 冷やし鶏塩らーめん(大盛)

2013.09.01

『冷やし鶏塩らーめん』を知ったのは、『温かいトマト拉麺』を食べているときだった。

<夏季限定メニューか・・・>
私は以前に食べた同じ限定メニュー、『生姜らーめん』のことを思い出していた。<生姜らーめん、なかなかよかったんだよな・・・>

久しぶりに再会したトマト拉麺は、前回同様にイタリアンパスタを彷彿させる洋風な味で攻めてくる。
私はそれを食べ終えると、頭の後ろのほうから上方へ、素早く右手を挙げた。

一応、ピンクレディーの「UFO」をイメージしているのだが、伝わるか不安だ。

私の渾身の動作に気が付いた女性の店員さんがコチラを向く。
元ネタを理解していただけたか不安だったが、とにかく私は知性溢れる表情で、
「おかわりを・・・!」そう発声しようとした。

だが次の瞬間。
『冷やし鶏塩らーめん(大盛)』が眼前に滑り込んできた。

らーめん工房りょう花 鶏塩ラー16

<えっ・・・まだ注文してないのに・・・>

「あちらのかたからです」
と店員さんが手で示した先には、小さな女の子がいた。

女の子は無表情でラーメンを食べている。
しかしその横顔は、まるで私に、いっぱい食べて大きくなってね!と言っているかのように見えた。

私は、どうもすいません、それじゃあ遠慮なくいただきます、という視線を送り返す。
女の子は相変わらず無表情で、目の前のラーメンを食べ続けている。

<俺がおかわりに"鶏塩らーめん"を食べようとしていたことが、いったいどうしてわかったんだい・・・?>
疑問だったが、それ以上は考えなかった。細かいことを気にしていても仕方がない。

らーめん工房りょう花 鶏塩ラー13

私は『冷やし鶏塩らーめん』の泉から麺を取り出して口へ運ぶ。

らーめん工房りょう花 鶏塩ラー12

水面には親友のオクラの姿も見える。
<冷たい・・・!>冷やしラーメンなので当たり前だが、冷たい。<麺が固い・・・!>

使用している麺は、温かいラーメンと同じに感じる。
けれども麺が冷えて、締まっていて、トマト拉麺よりも確実に食感が固い。

私は固い麺が好きだ。
<固い・・・!>豚骨ラーメンの替玉だって、いつもバリカタで発注する。<トマト拉麺より・・・固い・・・>

らーめん工房りょう花 鶏塩ラー11

泉の脇には透明よりも、ややレモン色がかった「すだちジュレ」がドッサリ載っている。

らーめん工房りょう花 すだち塩ラーメン

「りょう花の"すだち"」といえば、限定メニューから定番メニューにのし上がった『すだち塩ラーメン』を、どうしても連想してしまう。

器の中のすべてを覆うように、敷き詰められたスダチ群。
それに加えて、追いがけ用のスダチ・・・つまり"追いスダチ"まで用意されている仕様。

あれは圧倒的・・・!完全に面食らった。
おかげで私はいまも心に深いスダチを負っている。

<どうせ今回もスダチが襲ってくるんでしょ?>
「すだちジュレ」と聞いたときから覚悟していた。

だが・・・。
スダチ・・・全然こないっ・・・!

<あっさり塩味で、すこぶる食べやすい・・・!
食べやすいのはいいけど・・・どうしちゃったんだよ!スダチっ・・・!>

スダチの力は・・・!
こんなもんじゃねぇだろぉっ・・・!

恋に悩んで元気がなくなっちゃった、クラスの不良番長みたいである。
普段どおりに暴れてくれないと、いろいろ盛り上がらない。

ジュレをスープに溶かそうと掻き混ぜてみるが、ジュレは粉々になるだけで溶けない。
スープ全体にスダチの味が広がらない。スープは相変わらず飲みやすいままだ。

<スダチ・・・!いいから俺を叩き潰せっ・・・!>
これはあくまで『冷やし鶏塩らーめん』であり、伝説の『すだち塩ラーメン』ではない。
そんなことは私にもわかっている。しかしそれでもなお、私はスダチの幻影を追い求めてしまう。

<すだちジュレの力はこんなものかっ・・・!>
牧草を食む馬のごとく、麺をバクバクと口へ入れる。

そのとき。
一瞬、スダチの電撃が脳に走った。

<何だ・・・いまのは・・・!>
私にはわからない。

細かいことを気にしていても仕方がないので、引き続き食べる。

らーめん工房りょう花 鶏塩ラー14

卓上の「ゆず胡椒」が目に入る。
<鶏塩ラーメンの味に、ゆず胡椒・・・!合いそうだ・・・>

投入してみる。
予想通り、合う。

味に奥行きが増したというか・・・。
柚子だけに、ゆーずー・・・融通がきいた味になった。

順調に麺を食べ尽くして、今度はスープを飲み干しにかかる。
私は、うどんでもラーメンでも、スープを全部飲んでしまう。

飲まずにはいられない。

そのとき・・・。
またスダチの電撃が脳に走る。

しかも今度は"一瞬"ではない。
畳み掛けるような連続攻撃だ。

<ジュレだ・・・スダチの力はスープに溶け出さず・・・ジュレの中に封じ込まれていたんだ・・・>
すだちジュレが舌に当たるたびに、さわやかな香りと、軽い苦味が駆け巡る。

<やっと逢えたね・・・逢いたかったよ・・・スダチ・・・>
私は目頭を押さえ、感極まる。<ありがたい・・・!>

らーめん工房りょう花 鶏塩ラー9

麺を食べ尽くした『冷やし鶏塩らーめん』の泉には、紅い梅干しと、私が粉々にした無数の"すだちジュレ"が浮かんでいた。

らーめん工房 りょう花 南国店

◆ らーめん工房 りょう花 南国店
(高知県南国市大桶乙1082-3)
営業時間/11時~15時・17時~22時
定休日/火曜日
駐車場/18台

(特塩チャーシューめん980円、温かいトマト拉麺840円、真麺490円、
特塩らーめん780円、塩630円、塩つけ麺750円など。大盛100円増)
『らーめん工房りょう花南国店』の場所はココ!

↓ りょう花のHPによると、冷やし鶏塩らーめんは8月下旬までとなっているので、今年はもう食べられないかも・・・。
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