安田川を右手に見ながら、山間の県道12号線をズンズン北上。
このあと東洋町という遠方まで行かなければならないので、もちろん、かなりのズンズン具合だ。
高級な軽自動車のサイドミラーなんか、風圧で何度ももげそうになった。
車窓から見える景色は、山と川と田んぼばかりで、たまに民家がある程度。
<大丈夫かな・・・>不安に駆られた。<「味工房じねん」がありそうな雰囲気じゃないんだが!>
コーナーを限界まで攻め、しばらく進む。
あった。
『味工房じねん』
以下は2013年10月の情報です。ご注意ください。
早速、入口の戸をコソコソくぐる。
「道の駅」などでよくある物産コーナーが手前にあり、奥に飲食スペースが見える。
<これから東洋町に行かなきゃならないんだ・・・!ゆっくりしてられない!早くしないと日が暮れちゃうから!>
足早に奥の飲食スペースを目指し、着席する。
水。
メニュー。
メニューはシンプルに5品のみ。
「うどん」「山かけうどん」「親子丼」「じねん丼」「五目炒飯」だ。
<五目炒飯・・・ちょっと食べたい・・・だが、やはりここでは自然薯を使った品・・・いっておきたい!>
だって・・・!
『味工房じねん』なんだもの!!
厨房にオバチャンが2人いる。
時折、2人の会話が聞こえてくる。
いかにも高知のハチキンといった雰囲気だ。
私は「すっ・・・すみません・・・!」と可愛らしくドモりながら、おそらくここでの1番人気だと思われる品を注文した。
『じねん丼』
親子丼の上に、すりおろした自然薯が載っているというものだ。
<この黒くて丸くて小さいの・・・ムカゴだ・・・!>
おっ!と思った。ニンマリした。
ムカゴ、ありがたい。
早速、いただく。
全体的に、やや濃い目の味付け。
その中においても強力に主張する、自然薯。
自然薯・・・!
圧倒的!アピール・・・!
<ナニコレ!すごい!自然薯!めっちゃ味が濃い・・・!>
自然薯は・・・!
調味料の味を突破してくるっ・・・!
<考えてみれば、自然薯・・・初めて食べたかもしれない・・・オラが知ってる山芋と全然味が違う・・・>
衝撃を受けた。
感銘を受けた。
受けまくった。
前菜、終了。
『山かけうどん』
<お待ちかねのメインディッシュだぜ・・・!>
「農業界のうどん野郎」が、うどんを放っておくわけがない!
放っておくわけなどないのだよ・・・!
この山かけうどん、
ただの山かけうどんじゃない。
<自然薯の味!すごい!ブンブンくるっ・・・!>
香るっ・・・粘るっ・・・味が強い・・・!
<自然薯って、こんなに味がするんだ・・・!>
自然薯に、感動。
道端で偶然見つけた看板。
それに誘われてここまで来た。
<来てよかった・・・!>
食べ終えてレジにて代金を払っていると、アイスクリームが売られているのが目に入った。
<アイス!いるいる!>
すかさずオバチャンに購入の意思を伝える。
自然薯アイスと、
鮎アイス!購入!
<鮎アイスには、ちょっぴり驚いた・・・!だがだがだが・・・!安田町といえば!自然薯と!安田川の鮎だろう・・・!ならばここで鮎アイスを購入するのは、安田川に匹敵するぐらい自然な流れ・・・!>
上段に鮎アイス、下段に自然薯アイスを盛ってもらった。
従って、鮎アイス、自然薯アイスの順に食べる。
<鮎アイス!鮎の味あんまりしないけど、なにか香ばしい!自然薯アイス・・・よく味わうと、たしかにさっき食べた自然薯の味がする・・・!>
鮎アイスと、自然薯アイス。
どちらも初めて食べたけれど、大自然!といった雰囲気の味だった。
じねんの看板前で!
アイスと記念撮影!
~セクシーポーズ仕立て~
<さて!東洋町を目指すか・・・!>
元来た道を戻り、南下。国道55号線に復帰して東進する。
数キロ走り、安田町を抜けようとしたそのときだった。
異変、起きる。
<んー、なんか・・・味工房じねんでご飯食べたら満足しちゃった・・・>
車を走らせながら少し考えた。
<か・・・帰ろうか・・・なんかもう・・・OKかなっなんて・・・なんてねっははっ・・・はははっ・・・>
Uターン。
東洋町、断念。
(高知県で唯一行ったことがない町、東洋町。
その距離という、高い高い壁を越えることは今回もできなかった。
この壁への挑戦は、またいつの日か・・・)
◆ 味工房じねん
(高知県安芸郡安田町正弘566)
営業時間/7:00~15:00(土日祝は16:00まで)*食堂はL.O.14:00
定休日/第3木曜日、年始
駐車場/有