屋台「昴」 マヨネーズラーメン

2014.02.05

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屋台「昴」 マヨネーズラーメン

2014.02.05

全国的にあるのか、それとも高知だけなのか四国だけなのかわからない。わからないけれど、とにかく高知にはある。

雪、あるいは白熊のように白いラーメンが。
その白いラーメンを、人々は呼ぶ。

『マヨネーズラーメン』と…!

<白いっ…それにしても白いっ…!抜群の白さっ…!ありがたいっ…!ありがたい白さっ…!>

一面、本当に白い。
かつてこれほど白いラーメンがあっただろうか。

私はコンマ5秒で否定する。

「ない…!」

これほど白いラーメンなど、他にあるわけがないのだ。

大体これほど白いと、人によっては雪と間違えて滑りかねない。
スノーボードとか持ってきて、滑りかねない。

この白さ…!絶対的っ…!!

むしろ、洗濯前の白熊よりも白い。

そんなことを高知市繁華街、グリーンロードの屋台『昴』で考えていた。
日付けなんか思いっきり変わっていた。

いまが何時だか確認する気にもならない。
いま何時かと訊かれたら「ハナヂ、デンプン、ガビョー」と無邪気な小学生のように答えてやる。

きっとそのほうが僕たちは幸せになれる。

酔っていた。
酔っていたが酩酊まではイッていなかった。
目の前の風景が、ゆっくりグルグル回っているだけだった。

いったい何がいけなかったのだろう。
きっといけないことなんて何もなかったんだ。
ただ少し、あっちゃんにテキーラを盛られすぎただけだ。

まぁ…!白いっ…!

それにしてもマヨネーズラーメンは白かった。
北極と南極、どっちでもいいような白い世界の上に、ネギの緑が映える。

オアシスだ。
ネギはオアシスだ。

「白銀のオアシス」
などと、わりとわけのわからないことを思いながら、ふと辺りを見回すと店主がいた。

屋台『昴』名物のコワモテ大将だ。

でも見た目はイカツイが、すごく優しくていい人だと、私は知っている。
だから心の98%ぐらいしか、ビビらない。

大将と目が合うと、大将はコワモテを崩し、ニッコリと微笑んでくれた。

<おおお…俺のこと…覚えてくれているのですね…!>
嬉しかった。私が女性だったら惚れている。むしろ私、男だけど、いいだろうか。ぇ

あぁっ……!
それにしても白い…!!

と言いたいところだったが、さすがに麺は白くなかった。

<うめぇー!マヨネーズラーメンうめぇー!カロリー高そうだけど…そんなこと…いまはどうでもいい…明日畑で無駄に動けばいい…!あぁっ…食べてるときが一番幸せっ……!>

麺を食べきったあと、丼の中に残ったのはスープだけ。

白いよ…それにしても白い…!
この白さ…!ウチの冷蔵庫みたいだ…!!