1月25日発売、ほっとこうち2月号。
美女に囲まれ緊張のあまり、爆笑ものの固い表情で写真に収まる男がそこにいた。
「好きなうどん」
それを訊かれて男は答えた。
「幻の山雀うどんです…!」
寒い日が続いていた、2013年末。
洋間の暖炉に薪をくべていると、電話がかかってきた。
「麺状にした白い粉…極秘ルートで流そうか?」
電話の主は、あの幻の麺師・山雀さんだった。
私は声を、おっぱいみたいに弾ませた。
「ありがたいっ…!いま俺…白い粉が切れてて…幻覚が見えたり…禁断症状が出てたんです…!」
数分後、白い粉が届いた。
粉のままでは、いろいろと不都合がある。
だから、もちろん粉は麺状にしてパック詰めしてあった。
<ダメだ…!早くしないと禁断症状がっ…!>
出る…!出る…!
圧倒的…禁断症状っ…‼︎
震えるお手手……!
プルプルぅぅぅううぅぅ…!
粉たてぬ。
急がねば。
早速、湯掻いて吸引する。
ツヤツヤ、プルンプルンの白い肌。
まずは、醤油で。
弾力、クニュリ。
<おぅぅ…!するっ…するっ…フワッとするっ…小麦の香り…生姜の香りに醤油の香り…!>
進撃する巨人のように…!
炸裂する…!
幻の攻撃力っ…!!
<ぐああぁぁぁぁああ……!
よしっ…よしっ…よしおくん…!!>
山雀さんにいただいたのは、麺状にした白い粉だけではなかった。
ペットボトルに入った飴色の液体。
それは…ぶっかけ出汁…!
<もこみちだったら…ここでオリーブオイルだろうが…俺はここで…この局面で…かける…シビれる…回しがける…!!>
ぶ…ぶ…ぶ…ぶっかけ出汁っ…!!
ぶ…!
ぶ…!
ぶ…!
『豚しゃぶっかけ』
にて、いただきます…!
OH…!YES…!
ウドンマウンテン!
<エッジ全開やぁぁぁっっ……!>
それではご覧ください……。
正面に見えますのが……。
ぶっかけの滝でぇ…!
ございますっ……!
飛沫を上げる…!
ぶっかけ出汁っ……!
おりゃあああぁぁ……!
ざっぱぁぁぁああぁぁん…!
<ありがたいっ…ありがたいっ…!
ありがたいが……しかしっ……!>
そのとき気付く。
温玉…あったのに…!
入れ忘れていたっ……!!
温玉…!2個投入…!
家だからできる贅沢…!
未曾有の豪遊っ…!!
小麦と、ぶっかけ出汁。
おろし生姜にネギ、温玉。
味と香りの全速戦っ…!
ありがたいことで。ありがたいことで。
2013年も年の最後に食べたうどん…年越しうどんは、幻の山雀うどんだった。
アルデンテ = 正義。
This is a UDON.
<ありがたいっ……!>
(※ 特定の店舗を持たない、まさに"幻"の山雀うどん!次回の出店予定など詳細はコチラでご確認ください! → 「山雀さんの圧倒的ホームページ」)