手打ちうどん とがの藤家 「親戚のお小さい方々、ごきげんよう」

投稿日:2014.09.04 更新日:

雨が降ったり止んだりを繰り返す夏の日だった。県外から来た親戚たちを含めた総勢九名で、佐川町にある手打ちうどん店『とがの藤家』に行った。九名の内、五名はお小さい方々(子供)だ。

とがの藤家11

一台に乗り切れないので、二台の車に分乗して行った。
険しい山道を全速で攻めたが、私の運転する車のほうが遅れて到着。待たせて申し訳ないと急いで車から降りる。

すると、そこに幻の麺師・山雀さんが立っていた。

<ええっ…!山雀さん…!>圧倒的驚愕。一瞬何が起きたのかわからなかった。山雀さんのブログはコチラっ!

いま目の前に見ている山雀さんは幻ではないのか。「幻の山雀」と言うぐらいだし。

いまここで、佐川町で山雀さんに会うなんて何だか信じられなかった。しかしどうやら山雀さんは幻ではなく実物のようだった。

<こんなこともあるんだなぁ…!>
運命が私たち二人を引き合わせたのだろうか。わからない。

オススメのうどん屋さんを教えて、と言われて『とがの藤家』の名前を出したのには、味はもちろん店構えにも理由があった。

古民家を改装した田舎のお婆ちゃんち風味の店内は、きっと子供ウケすると思ったし、子連れでも店の雰囲気的に居心地が悪いということはないだろうと思えた。

店に入ったお小さい方々は、中二階への階段をドンドン駆け上がっていく。
<やっぱ好きだろ!高いとこっ!>予想通りの行動に笑った。<あぁ…でも……>

中二階には先客数名。我々、九名分の席は確保できそうにない。
というわけで、空いていた一階の座敷二卓を占領して座る。

<みんなお利口さんやのぉ…>
素直に二階を諦めたお小さい方々の姿に、私は昼下がりのお爺ちゃんのように目を細めた。

しかしイマイチ子供慣れしていないので、絡み方がわからない。さらに、お小さい方々五名の内、四名は女の子だ。

<ごめんなさい。こういうときどんな顔をすればいいのか…わからないの…>そんな名言も飛び出す勢いだった。

意外とみんな迷わず、それぞれがそれぞれに注文を決めた。一番迷ったのは私だったかもしれない。<俺は子供より決断力がないのか…!>

お小さい方々、五名を含めた、九名中、六名は初体験の『とがの藤家』
<お口に合うといいんだけど……>私はこのとき、たぶん『とがの藤家』の大将よりもドキドキしていた。

<子供があの豪麺を一玉食べきれるかと言ったらどうなんだろう…>少し考えた。<とがの藤家、並でも食べ応えはかなりのもの。大人でも小食の人だと…>

とがの藤家6

少しだけ待っていると、みんなが注文したうどんが続々と出来上がってきた。私が注文した『釜玉(中盛)』もきた。

特盛にも大盛にもしなかった。それは、お小さい方々が食べきれなかった場合に、私が私の胃袋に回収してやろうという腹積もりがあったからだった。

とがの藤家5

<相変わらず凄いな……!>麺線から力強さが伝わってくる。

底に入った卵と麺を絡めて一気に食べる。弾力がモチモチとかそういう次元を超えていて、もはやバネみたいになっている。麺が顎を跳ね返してくる感覚だ。

<圧倒的悶絶っ…!>などと至福のひとときにポワワーンとしてしまったが、今日の私は自分が楽しんでいる場合ではなかった。

<大丈夫かっ!子供にも受け入れられるのか!このアルデンテ…!>

子供は固い食べ物よりも、柔らかい食べ物のほうが好きだという印象がある。そういった意味ではどうなんだろう。もっとブヤブヤの軟弱ゴシ系が良かったのだろうか。私は子供の反応にドキドキした。

そのときだった。
「美味しいー!」お小さい方々の一人が言った。

いま美味しいってゆった…!

子供は味に正直だというけれど、その子供が美味しいと言ったのだ!
私はこのとき間違いなく『とがの藤家』の大将よりも先に感動した。

嬉しいっ…!!

人に美味しいと…それも子供に美味しいと言ってもらえることがこんなにも嬉しいとは。

私は自分が打ったうどんを褒めてもらえた気になってしまった。

とがの藤家3
(※ 画像は「肉しょうゆ・冷」)

「かけ」「ざる」「肉しょうゆ」に、巨大なかき揚げが載っていることで有名な「やさい天うどん」 自分が注文した「釜玉」を含めて、「とがの藤家オールスター」みたいになった卓上に、私のうどん野郎としての血が沸いた。<すげぇ…!>

お小さい方々の中でも、一番大きい女の子(といっても小学生)は楽に完食。私より食べ終わるのが早かった。

歳がまだ二桁に届かないくらいの子たちも、一所懸命に食べていた。
<いっぱい食べて大きくなってね…!>

(個人的に…かけ出汁が入った温かいうどんと、「ざる」や「しょうゆ」などの冷たいうどんをみんなでシェアして食べてもらえたおかげで、「温」と「冷」での麺の違いを感じていただけたのも、また嬉しかった!笑)

食べ終えた親戚のお小さい方々は、素早く靴を履いて外に出る。

<置いて行かないでーーー!>
日頃から食べ過ぎてすでに横方向に大きくなり始めてしまっている、私という農家のおチャラい方は、モタつきながら靴を履いた。

卓上に残されたいくつかの器。そのどれもが空になっていた。
おチャラい方は、お小さい方々のあとを追って店を出た。また来たいそうです。

とがの藤家11

◆ 手打ちうどん とがの藤家
(高知県高岡郡佐川町中組1325-1)
営業時間/11時~17時(麺切れまで)
定休日/火曜日
営業形態/一般店
駐車場/その辺

(肉つけ750円、生しょうゆ450円、ザブザブ550円、タイカレー700円、
釜あげパスタ700円、やさい天うどん550円、中盛50円増、大盛100円増、特盛200円増など)
『手打ちうどんとがの藤家』の場所はココ!

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竜一

1982年生まれ。高知で生姜農家をしています。うどんをかぶって寝たいほどうどんが好き。ラーメンとカフェも好き。農業家/ブロガー/農業界のうどん野郎/農業は生姜一本で稼いでます。

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