季節料理 寛(ひろ)

2014.10.03

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季節料理 寛(ひろ)

2014.10.03

寛6

「おっ!一台分だけ空いちゅう!」『季節料理 寛』の店先にある駐車場を見て言った。「今日ツイちゅうわー」

普段、外食で"ご飯物"を食べたいと思うことはあまりない。わざわざ外で食べなくても、米なら家に大量にあるからだ。

それでも外出した際、どこかで食事を摂ろうかとなった場合、米が欲しくなることが稀にある。日本人の血が騒ぐのかもしれない。「もっとお米食べろよ!」と。

<今日の日替わりはなんだろう…>出入口のボードを確認した。『白身魚の煮付け』だった。<悪くないな…>

だが店内で改めてメニューを見て、気が変わった。

<うわっ…海鮮丼がある!>煮魚を食べる気でいたら、生魚があった。カーブボールのタイミングで待っていたらストレートボールを投げ込まれたみたいな状態。それと同じだ。

私は『日替わり定食(白身魚の煮付け)』を瞬時に諦めて、『海鮮丼』を注文した。しかも大盛で。

肌色した木の雰囲気が印象的な『寛』の店内は満席で賑わっていた。時刻は午後一時を回っていた。

寛1

「可愛い!」

出来上がった『海鮮丼(大盛)』を一目見て言った。人間に置き換えれば身長・百五十センチメートルくらいだ。その筋のフェチの人には堪らない大きさだろう。

載っているのは、マグロにサーモンにカツオのタタキ、タコにタイか何かの白身の魚。それらがご飯を覆っている。

寛2

さらに海鮮丼の脇に、サーモンの刺身が付いている。サーモンは海鮮丼に載っているのにも関わらずだ。
<サーモン、からの、サーモン…!あっちにもサーモン!こっちにもサーモン!>

回転寿司店へ出向いた際には、そんじゅそこらの熊に負けないくらいサーモンを食べるサーモン好きとして、一言申し上げたい。

「ありがたいっ…!」

しかし私は稀代のズボラ。
<面倒だから、別盛のサーモンも海鮮丼に載せて食べよう>

サーモンを海鮮丼に一枚一枚載せている最中、幸せで表情が緩んだ。産まれたばかりの孫を愛でるお爺ちゃんみたいに、ニヤニヤした。

寛5

海鮮丼以外にも、盆上には群雄割拠の精鋭たちが並ぶ。

寛3

汁は"赤だし"。

<うほぉー!>海鮮丼を食べて、目をちょっとした五円玉くらいに丸くした。<身がブリッブリ!>

なんということだろう。身が西島秀俊のお腹くらい締まっていてムチムチしている。これは魚の世界でも相当モテるに違いない。

分厚く切ってくれているので歯応え強めかと思いきや、数口噛むと溶ける。雰囲気の良いアイスクリームみたいだ。

寛4

「こりゃー、なんぜよ」小鉢に入った料理を調べた。「ゴーヤ?」

食べてみた。
「ゴーヤの酢物…かな…?」苦味はあまりない。

<"北斗の拳"に出れそうなくらい、食感がジャギジャギしている!>そう思った私は『北斗の拳』を一度も見たことがない。

サーモンが多いので、最初にサーモン、中盤にサーモン、最後にまたサーモンと、三段階に分けてサーモンを食べられた。本場の熊でも、なかなかこのようなサーモンの堪能の仕方はできないだろう。

いつぞやの世界陸上で興奮していた織田裕二の気持ちが、いまならわかる。
「こんなにたくさんのサーモンが生で食べられる!んー、地球に生まれてきてよかったー!」

寛

◆ 季節料理 寛
(高知県高知市杉井流16-9)
営業時間/11:00~15:00(OS14:30)、17:00~22:00
定休日/水曜日
駐車場/有