▼ 麺'sHOUSE繋さんは「鶏と魚」に店名を変更して高知市に移転されました。
『ヤ・シィパーク』にラーメン屋さんが出来たらしい。Gちゃさんのブログで知った。
がchaさんは実際にお会いして一緒に飲むと、酔ってハンドルネームの通り、ガッチャガチャになるのだけれど、ブログを書かすとわりとストイックな印象を受ける文章を書く、よくわからない人物だ(悪い人ではない、たぶん…)。
そんな彼がおそらく私に言えない、もちろん公にも言えないであろう怪しいルートで時折謎の新店をスッパ抜く。スッパ抜かれたのは先月、二〇一六年、二月二日、まさにその店がオープンした当日だった。
あれから一カ月…!
(綾小路きみまろ風に)
<昨日の夜…じつは俺…うどん二軒ハシゴしてんだよ!高知で…!>
だとしたら…………!
今日の昼はラーメン………!
ラーメンいくしかないだろうっ……!
二食連続…合計三連続うどんは…!
栄養が偏るだろうがっ…!!
<やっぱり今日はラーメンやな!>
てなわけで来ちゃった『メンズハウス繋』
てっきり「繁」と書いて「しげ」か「しげる」と読むのだと思いきや、「つなぎ」と読む模様(入口横の、ひらがな表記の看板で初めて知った…)。
初来店。結構恐い。ドキをムネムネさせながら入る。
食券制。
入ってすぐ右側にある券売機で食券を買う。
<なにっ…!お金を入れると日曜日限定だと聞いた『白湯ラーメン』のところにランプが付く…!つまりこれ…注文可能ということか…!?>
<しかし張り紙には白湯ラーメンは日曜日限定だとある……。今日は月曜日……>
白湯が今日あるというのは、きっと罠だ…!
<罠の白湯は避けてレギュラーメニュー…正攻法の塩か醤油にしたい……!そもそも日曜限定の白湯が、今日あるわけがないんだ…>
そのとき一緒に来ていた嫁が「わたし、しょうゆ~!」と……。
「わたしこわぁ~い!」の人みたいな情緒を漂わせて言う。
<おまんが醤油を食べるがやったら、オラぁ塩にしおおかねゃ(塩だけに)>なんて土佐人気質で発券機の『塩らぁ麺』のボタンを押そうとした、そのとき…!
大事件。
『塩らぁ麺』には、『味玉塩らぁ麺』と、『特製塩らぁ麺』があり…
醤油も同様に『味玉醤油らぁ麺』と、『特製醤油らぁ麺』がある……!
つまり一つの味で、三種の仕様のラーメンが存在!
<もう決められないよね……>
だが醤油も塩も、ノーマル750円に250円を追加して特製にすれば、ワンタン二個と鶏チャーシュー、加えて味玉がトッピングされるとのこと。
<ワンタン二個増量、いいね……!>
じゃあ奮発して……
入ってみると予想に反して落ち着ける雰囲気。
『メンズハウス』と屋号に付いていることから、金髪で耳には大きなピアスをぶら下げたような、チャキリまくりのお兄ちゃんたちが店内を取り仕切っているイメージだったが、意外と穏やか。
大きく開かれた窓から差し込む陽光。その外に見えるヤ・シィパークのヤシの木。全体的に南国情緒。そんな気配。
<なんだかここはハワイって感じだなぁ…。いやハワイっていうよりも、むしろバリかな。バリといえば、昔F1にバリチェロってドライバーがいてさぁ…>なんて思い出にふけっていると店の男性がやってきた。
「今日は麺を細麺と太麺から選べます」と言う。
嫁は即座に細麺を選択。ならば私は太麺にするべきか。ちょっと迷った。私は元来、細麺派。
<塩に太麺か……。やっぱり細麺のほうが合いそうな気がするなぁ…>
「んー、細麺で…!」
先に『特製醤油らぁ麺』が出来上がる。
<見た目からして違う。なにかが違う…。あんまり見たことがないビジュアルのラーメンというか…>
一口貰う。
<あぁぁ…麺がなんか蕎麦みたい!結構あっさりだなぁ>
続いて『特製塩らぁ麺(大盛)』
ドサッと乗ったワンタン。そして丸々一個、味玉が鎮座。
<ぬっ…!醤油と塩で使われているネギが違う……!それで白いのが鶏チャーシューかな…>
ワンタンの皮!モッチモチ!
<麺がやっぱり蕎麦みたいだ。よくあるラーメンみたいにあんまり黄色くない。そしてコシが強い!ちょっとしたうどん屋よりもコシがあるぞ!>
しっとりした舌触りと食感の豚チャーシュー。
<これ皿に盛って小粋なソースをかければ、フレンチのお店で出せちゃうんじゃないの…!?>そんな感じ。チャーシューだけで主役を張れそうな勢い。
鶏チャーシューに至っては、舌の上でとろけた。それはまるで夏の日の恋のようでもあった(謎)。
<メンマも歯応えゴリゴリ!>
そんじょそこらの業務用メンマと一緒にしてくれるなと言わんばかり。醸し出す、手が込んでいる感!
<醤油も塩も、すごくあっさりした味で、暑い夏の日でも美味しく食べられそう>
デートとかで来ればいいんじゃない。若者は。
<次は土曜日限定の鴨らぁ麺と、日曜日限定の白湯らぁ麺を狙いたい!>
その夜、私は日曜日限定の白湯らぁ麺が、行った月曜日にも残っていて食べることが可能だったと、知らないほうが幸せだったことをB千鳥さんのブログで知ってしまったのであった…。
*編集部注*
「わたしこわぁ~い」のモデルは嫁ではありません(笑)。