高岡郡四万十町床鍋。平成の大合併以前は窪川町だったそこに、「手打」と書かれたセルフうどん店がある。
「あるんだよ……!」
セルフ手打うどん&お好み焼「なかむらや」
(* 行ったのは、2016年4月です)
「昔の『豚太郎』がラーメンとお好み焼きで営業されていたけれど、うどんとお好み焼きを提供する店は珍しい……」
セルフうどん「なかむらや」へのアクセス。
高知市方面から西進した場合、自動車道を「四万十町東」で降りて一般道を東に戻る。
すると、やがてオレンジ色した看板が印象的な『Orange Bear(オレンジベア)』という名のガソリンスタンドが見えてくる。そこに隣接しているのが『なかむらや』。
「周囲に田園が広がる、のどかでいいところだ……」
セルフうどん「なかむらや」の店内。
店に入ると、すごく感じのよいお姉さんが出迎えてくれる。
がっ、この局面、竜一……。
「み、店のシステムがわからない……」
ただ呆然と立ち尽くす……!
「看板に書いていたからセルフだということはわかる。しかし……」
メニューが多すぎて、即座に選べない……!
戸惑いを察してか、先程のお姉さん、メニューを渡してくれる。セルフ店には珍しい"ブック形式"のメニューが、メニュー数の多さを物語っている。
「すすす、すいません……!」
そう言って、メニューを受け取る竜一。
「あちらに座敷もありますので!」
終始、笑顔で、すこぶる愛想がよいお姉さん。「決まったら呼んでください」と言う。
セルフうどん「なかむらや」は座敷あり。
「子供連れに座敷は重要な要素。あるとないとでは、飲食中の楽さ加減がまったく違う……」
「なかむらや」のメニューは圧倒的構成。
決められないわけだ……!
かなり……!
相当に多いメニュー数……!
うどんのみならず、「定食」!セットメニューもあり……
「お好み焼き」もある……!
「セルフうどん店で、お好み焼きが食べられるのは全国的にも相当珍しいだろう。間違いなく高知では唯一ここだけ……」
だったら是が非でも……
いくしかない!お好み焼き……!
当然、うどんも食べる。
「うどんは何にしよう。お好み焼きがあるから、シンプルに『かけうどん』か……」
量も悩みどころ。
メニューには「小(1玉)」から「特大(3玉)」まで記載されている。
「通常のセルフうどん店では、1玉の量が少ないのが常。どうせ1玉は大した量じゃない……」
それなら「2玉」……!
お好み焼きを食べるにしても……
腹を張らすには、2玉必須!
「なかむらや」は「セルフうどん店」。
しばらく待ってうどんが来る。注文したのは「かけうどん(大・2玉)」。
店のお姉さんが持って来てくれたうどん。受け取ろうとすると「セルフですので薬味を……」と言われる。
「ああっ!そうか……!」
いつしか忘れていた。
『なかむらや』は「セルフ方式」だった……!
それも!そのセルフ方式は、なんと……!
コックを捻り、出汁をかける「讃岐スタイル」!
「うどん店が決して多くないこの一帯で、このスタイルの店に出会えるとは……!」
かけ出汁の温度よりも湧き立つ、うどん野郎の魂……!
「自分で好きなだけ出汁をかけられるってのが、いいっ!」
夢が詰まる、出汁タンク!
コックは栄光への架け橋だ……!
嬉々としてかける!出汁……!
至福……!
愉悦の出汁かけ作業……!
「できた……!」
これが四万十町「なかむらや」の「かけうどん」!
無料の具材は、確認できただけで4種類。
ネギ、天かすといった定番はもちろん……
カツオ節!茎ワカメまで盛り放題!
そしてボリューム満点……!
「セルフ店の2玉でこんなにあるの……?」
想像よりも、はるかに大盛!
「まったく驚かされることばかりだ。俺のうどんめぐり史上「驚愕うどん店ベスト5」に確実に入る異形の攻め手。その連続……!」
そして、この麺がまた……
エッジがビンビン!立ちまくり!
「麺の表面が、スノーボードのハーフパイプみたいになっている……」
かたい!伸びない!硬質の麺……!
竜一!唖然!
強い歯応え!ズシッと重い、アゴに響く重量感!
「これは腹にたまる。食べきれるか不安になってきた……」
そこに、お好み焼き「ミックスモダン」登場。
「うどん」あるいは「そば」から選べた「ミックスモダン焼き」に入れる麺は、もちろん……
うどん……!
うどんを選択……!
「我ながら、どうかという決断……」
まさに「うどん尽くし」!
「うどんを食べてこその、うどん野郎!俺がうどんを食べないでどうするんだよ……!」
うどんを食べること、それは人生。
うどん人生は、完全なる炭水化物祭りに突入……!
巨大な「ミックスモダン焼き」と、大盛の「かけうどん」を前に脂汗をかき始める竜一。
「自分で頼んでおいて食べきれない、なんて失態は最悪。だが、こうなるともう食べきれるか……結末は神のみぞが知る次元……!」
「なかむらや」の「釜玉(小・1玉)」
そのとき対面では妻、「釜玉(小)」。
そしてこれも珍しい。「釜玉」に付く薬味は、大抵どの店でも「おろし生姜」だが、『なかむらや』は「ワサビ」で食べる仕様。
「『ぶっかけうどん』をワサビで食べるのはよくあるが、釜玉にワサビはレア……!」
釜揚げの状態でも、「かけうどん」同様、麺は相当かためで、強い歯応えを見せる。
「ミックスモダン焼き」のマヨネーズは「5条植え」。
5列同時に出るマヨネーズ。
「田植え機でいうところの、5条植え!」
マヨネーズをかけて、一気に食べる!
「炭水化物」と「炭水化物」!
「粉もん」と「粉もん」!
かけうどんに入った「うどん」と、お好み焼きに入った「うどん」!
これで本当に減量する気があるのかと、本人さえも首をひねる状況下での「かけ大」!
「『ミックスモダン焼き』に入っているうどんも歯応え強い……!」
食べきれるかと懸念されたが、結局難なく食べおおし、退店。
「意外と食べられるな……」
また一回り成長した。(物理的な意味で)
* お客さんはほぼ常連さんの様子で、地元の人に愛されている感満載の『なかむらや』。帰りに店のお姉さんが娘にとスティックキャンディをくれた!
「なかむらや」の所在地、営業時間、定休日、駐車場
所在地/高知県高岡郡四万十町床鍋1105−1(地図)
営業時間/9:00~17:00(火・水・は早じまいの場合あり)
定休日/不定休
駐車場/有
一人行きやすさ/◎ カウンター席あり。
子連れ行きやすさ/◎ 座敷あり。店内広め。
(*うどん巡りに「高知うどん全店データ」を是非ご活用ください)