「紅虎餃子房の小籠包が美味しい」。
そんな話を聞いて『紅虎餃子房』にやってきた竜一。
「小籠包、好きだけれど、中華料理屋さんに入ってもあんまり頼んだことがないんだよね。小籠包ってセットメニューになくて、単品で注文しなきゃいけないから割高感があって、どうしても『餃子セット』とかにしちゃうんだよね……」
がっ……!
紅虎餃子房は違う!
紅虎餃子房のメニュー。
セットメニューに「小籠包」がある!
「なるほど。だから小籠包が評判になるんだな。単品だと注文する人が少なくて、なかなか口コミで広まったりしづらいもんな……」
ただ小籠包とセットにできる麺は、黒、白、紅、3種類の「担々麺」と「野菜タンメン」、400円の追加料金で「ふかひれ麺」があるのみ。
「麺類すべて、小籠包とのセット可能だったらより良い。けれども贅沢は言いますまい……!」
そんな中、竜一は迷っていた……。
「どうしよう。麺をどうしよう……」
同行した妻が「野菜タンメン」にするとのことで、竜一は「担々麺」にする。そこまでは確定したものの……。
担々麺の「黒」か「白」か「紅」で迷う……!
黒は「黒ごま」、白は「白ごま」、紅は「紅マーラー」をそれぞれ使用しているとのこと。
「迷うけど……」
白いのにしよう!
理由なんて何もなかった。
ただ……俺は白い担々麺が食べてみたい、そう思ったんだ……。
紅虎餃子房の「野菜タンメン」。
名の通り、野菜が盛りだくさん!
素敵ングだ!これは素敵ングだよ!
「野菜がいっぱい食べられるってことは、いいことじゃないか!野菜をたくさん食べなさいって人はいても、野菜をたくさん食べちゃダメって言うひとはいないからね……!」
スープの出汁感が強い!
「魚介の出汁がブワッと、恋に破れた日の俺の涙みたいに広がる……!」
海飲んでるみたい。
「とにかく魚介!その中に野菜……」
畑の出汁も出てんだよ!
チェーン店だと舐めたらいかんぜよ。
「紅虎は、虎だ……!虎さんだ……!」
紅虎餃子房のおすすめメニュー「小籠包と麺セット」(担々麺・白)。
噂の小籠包と、担々麺のセット!
白ゴマ、半端ない!
ゴマだらけ!ゴマだらけですよ!コイツは!
ゴマが!密集している……!
そして小籠包!
「うわっ!かわいい……!」
かわいいんだよ!
「俺みたいな小籠包が、3つも入ってんだよ……!」
食べる竜一……!
全身を駆けめぐる……!
圧倒的カプサイシン……!
「結構からい!そしてゴマ感強烈!」
スープ、どろっどろ!
「ゴマが止めどなく流れてくる……!」
担々麺とタンメン、麺が違う。
▲ こちらが「野菜タンメン」の麺。
「担々麺は"ちぢれ麺"だけど、野菜タンメンは"ストレート麺"なんだな……」
大注目の小籠包。
ヤバす!超かわいい小籠包!
「神戸の南京町・中華街で小籠包を食べたこともある、小籠包のことならおまかせである俺が、華麗に食べてあげよう!」
小籠包は、まず先端を噛み切って、中に入っている激アツのお汁を、少し冷まして食べるといいんだよね。
……などと、講釈を垂れて食べた、次の瞬間。
小籠包をはさむ箸に力が入りすぎていたようで……
中のお汁が、すべて皿の中にまけた……。
「たしかに。評判通り、なかなか美味しい。生姜が効いている」
生姜といえば……。
これ、なに?
生姜だというのは、わかるが……。
「生姜の酢漬けかな……?」
否っ!
「た……ただの生姜……?」
すこぶる生姜の味がする。
むしろ、生姜の味しかしない。
デザートは杏仁豆腐。
「担々麺が結構からくて、口の中がヒリヒリしていたけれど、杏仁豆腐の甘さに救われる……」
ありがとう!杏仁……!
ありがとう!紅虎餃子房……!
評判通りの「小籠包」もさることながら、「担々麺」のゴマ感、どろっどろのスープが印象的だった。