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トッピングコーナー、高火力。
玉子焼き・・・!
玉子焼きがあるっ・・・!
この存在を予想することなんて出来なかった・・・!
<玉子焼きのことが・・・!
中越典子と中越典子を足して・・・中越典子で割ったぐらい好きな俺に対して・・・!>
初球から玉子焼きストレートでのインコース攻め・・・!
<しかもコイツ・・・見るからにフワフワっ・・・!
360度どの角度から見ても・・・とどのつまりは美味しそうっ・・・!>
グッ・・・グッ・・・!
投げ放つ軌道が明らかに・・・!
俺を・・・!狙い打っているっ・・・!
その時、竜一を襲う、
ある種の疑念。
<だが・・・そもそも・・・!
うどんに玉子焼きって・・・!>
合うかっ・・・!?
いいや・・・違うっ・・・!
俺は何を言っているんだ・・・!
その考え方は・・・全然違うっ・・・!
うどんに合うとか合わないじゃねぇ・・・!
"玉子焼きが食べたいですか・・・!
食べたくないですか・・・!"
そういう話だ・・・!
もはやこの局面・・・!
うどんがどうのこうのじゃなくて・・・!
純粋に玉子焼きが・・・!
好きか否かが問われてるんだ・・・!
よし・・・!わかった・・・!
こうなったら玉子焼き・・・!
コイツでチェックメイトっ・・・!
と思ったけど・・・!
なんだこれっ・・・!
すっごく美味しそうなエビ天がある・・・!
え・・・エビ天でもいいかな・・・!
<でもっ・・・でもっ・・・!
いいのかよ・・・!そんなんで・・・!>
数秒前・・・!
俺は玉子焼きさんに一目惚れをして・・・!
世界が溢れるほどの恋をしたじゃないかっ・・・!
いいのかよ・・・!
玉子焼きさんじゃなくて・・・いいのかよ・・・!
その時、
竜一の耳に届いた、
うどん神の声。
うどん神も・・・そう仰るのなら・・・!
ボクは・・・!ボクは・・・!
竜一に去来する、
様々な心の葛藤。
"忘れないよ・・・!
玉子焼きさんに恋した一瞬の時間・・・!
玉子焼きさんは玉子焼きさんの今を生きて・・・!"
溢れ出る涙を、
服の袖で拭う竜一。
「ウッ・・・ウッ・・・!」
ひとしきり泣いたあと、
竜一は誰に向かってでもなくつぶやく。
「エビ天ください・・・!」
次第に、つぶやきは絶叫へと代わっていく。
「エビ天ください・・・!」
エビ天くださいっ・・・!!
エビの誘惑は、
とにかく強烈だった。
(エピソード3へ続く・・・!)
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