前編はコチラっ・・・!
『らーめん工房 りょう花 南国店 前編/塩の覚悟』
飲食店に行くと、毎回私のストレスになるのが「注文」
自分の蚊の羽音ほどの声量で店員さんを呼ぶのが本当に大変で、
心の負担がとてつもなく大きいのだ、クフ王のピラミッド並みに・・・。
この時も注文する品を決めてから、
少し苦労するかもしれない、という懸念を拭い去れないままに、
テーブル席から厨房のほうを見やった。
厨房とホールを仕切るガラス越し、店員さんと目が合う。
何かを調理しているみたいで、
しきりに両手を動かしながら「コクリ」と頷き、
「いま注文とりにゆきます的な波動」を"さざなみ"のように送ってくる店員さん。
相変わらず「りょう花」は、気配りが上手いというか、
客の気持ちがわかっているというか、配慮が出来て、
こういうところで客に無用なストレスを与えない。
その後も、歩み寄って来た店員さんに、
私はかなりの小声で注文をしたが、よく聞こえるものだと思った。
逆に私が店員さんだったら、聞こえないし、聞き取れない。
かと言って、大声を出すのだけは絶対にイヤだ。
大きな声で注文をして、万が一にでも喉を痛めることだけはしたくない!
喉は歌手の「命」ですからっ・・・!
『特塩チャーシューめん(大盛)』
注文して暫くの後にやってきたそれは、肉!肉!肉!
「醤油」も「味噌」もあるけれど、
基本的に「塩ラーメン」が主体である「りょう花」には、
通常の「塩ラーメン」と「特塩ラーメン」の二種類の塩がある。
通常の「塩」よりも「特塩」のほうが、
実は値段が150円高いのだが、
ここは「塩」ではなく、あえての奮発、あえての「特塩」勝負。
あえて勝負の「特塩」だけれど、無論、私は「塩」と「特塩」で何がどう違うとか、
そんな細かいことは知らないし、興味も無いし、食べてもあんまりよくわからないのだけれど、
明確に「特塩」のほうが、味わいが複雑で深くて私は好きだし、なにせ「特」の字が付いているのだ。
うどんでも「特大」「特盛」などがあるように、
「特」の字が付くメニューに悪いメニューは存在しない!
塩湖の中から、おもむろに麺を取り出して口に含む。
すると150円高い「特塩スープ」を纏った、
他には無い「りょう花」オリジナルの細めの麺が、
ガリガリガリッと全速で攻めてくる!
<コイツ・・・サイドから来ると見せかけて・・・!
中央・・・ド真ん中をコジ開けてきやがったっ・・・!>
狭いスペースをドーン!とコジ開けて捲り上げてきたそれは・・・!
うぅぅぅぅぅぅぅ・・・!
すこぶる芳醇っ・・・!
『焼豚丼』
(チャーシューどん)
<チャーハンが無いとわかった局面・・・!
俺に与えられたのは3択だった・・・!>
「白ごはん」「焼おにぎり」・・・そしてこの「焼豚丼」・・・!
<家に帰れば白ごはん食べ放題である農民が・・・!
"白ごはん"や"焼おにぎり"には心情的になかなか行き辛い・・・!
もはやその時点で、俺にとって3拓は1拓でしか無くなっていた・・・!>
それにしても、肉である。
ボクは一体何枚のチャーシューを
食べれば気が済むのだろう・・・。
『温かいトマト拉麺』
メニューの説明書きにも、
「まるでスープパスタを彷彿させるイタリアンな一品」とあったが、
バジルとオイルとトマトの酸味が効いたそれは、まさに「イタリアンラーメン」
ラーメンだけれどパスタみたいな、パスタみたいだけれどパスタでもなく、
だったらやはりラーメンなのかというと、ラーメンだけれども、
既存のラーメンの世界の大気圏は完全に突き抜けていて、まったくの新世界。
食べていても、ラーメンを食べているのか、
パスタを食べているのか、次第にわからなくなってくるような、未曾有の感覚。
そして段々とこう思い始めた。
「自分は実はイタリア人で、
今現在も実はイタリアに居住しているのではないか」と。
すると、やはりなんでも気持ちの問題であったようで、食べている内に
「ボンジョールノ!」ぐらいのイタリア語は喋れるようになったから不思議である。
これまでイタリア語といえば、「ジローラモ」しか知らなかったのに・・・。
そういった勢いで「りょう花」をあとにする頃には、
さらにたくさんのイタリア語を、どういうわけか自然に覚え、
「フィレンツェ!フィレンツェ!」などと流暢に連呼しながら店を出た。
◆ らーめん工房 りょう花 南国店
(高知県南国市大桶乙1082-3)
営業時間/11時~15時・17時~22時
定休日/火曜日
駐車場/18台
(特塩チャーシューめん980円、温かいトマト拉麺840円、真麺490円、
特塩らーめん780円、塩630円、塩つけ麺750円など。大盛100円増)
『らーめん工房りょう花南国店』の場所はココ!