『EP5を読む』
"ウサギ島"こと大久野島から船で大三島へ戻り、盛港に停めていた愛車"高級な軽自動車"に乗り込んで、しまなみ海道を南下。
愛媛県今治市(いまばり市)で高速道を降りた。
<今治って、何度か通過したことはあるけど、まともに観光したことはないな・・・>
そのまま高知へ帰らずに、しかもウサギ島での滞在時間を削ってまで、わざわざ今治市へきたのには理由があった。
<バリィさん・・・どこにいるんだろう・・・!>
僕は可愛いものが好きだ。
せっかくここまできたのだ。
愛媛県今治市のゆるキャラとして有名なバリィさんに、是非とも会ってみたかった。
土産物屋に行けば、おそらくは居るだろう、と考えてスマホで検索すると、今治港の近くに土産物屋があると出た。
すぐさま、事件現場に急行するときの柴田恭平みたいな表情を作って、今治港を目指す。
真っ青な空には雲ひとつ無い。
<ええ天気じゃのぉ・・・!>
快晴だ。
あまりにも青いので、海と空を間違えて飛び込んでしまいそうなほど、快晴だ。
「今治港」
今治港の駐車場に車を停めて、目的の土産物屋へ歩く。
<考えてみれば今日3つ目の港か・・・>
と僕は思う。普段、港に行く機会はあまりない。<1日で3つ・・・"ひとり港祭り"の様相を呈してきた・・・>
テクテク歩いて土産物屋に到着する。
なにやら黄色いものが店先の立看板に描かれている。
「バリィさんだ・・・!」
僕は有名人・・・いや有名鳥に会えた感動を隠し切れないまま、声をかける。
「すいません・・・一緒に写真撮ってもらっていいですか・・・?」
バリィさんは、穏やかな黄色い顔で僕を見ている。
<大丈夫かな・・・>
僕は疑心暗記する。<いきなり写真のお願いは失礼だったか・・・>
そのとき・・・!
バリィさんが口を開く・・・!
「ようきたねー!いまばり、ええとこやけんね!」
「バリィすゎん・・・!」
そう言ったっきり・・・僕はしばらく絶句した。感動のあまり言葉が出ない。
「写真?ええよ!」
と、バリィさんは相変わらず穏やかな黄色い顔で言う。
「いいんですか・・・!」
「もちろんやけん・・・!はよ撮りんしゃい」
「ありがたいっ・・・!ありがたいっ・・・!」
僕は感謝しながらバリィさんの横に並ぶ。
「どんなポーズをしたらいいんでしょうか・・・」
「そんなん、どうでもええがなー!」
「じゃ・・・じゃあ・・・バリィさんと同じポーズで・・・」
パシャッ・・・!
それから土産物屋の中へ入ると、大量のバリィさんグッズが売られていた。
僕は、目を辛子明太子みたいに血走らせながら、バリィさんグッズを物色する。
そして「バリィさんバッグ」と、「バリィさんTシャツ」と、「バリィさんのチキンコンソメスープ」と、「バリィさんのみかんジュース」を購入した。
(※ 後日、気が向いたら画像公開します!笑)
さらに土産物屋の中にもバリィさんがいた。
しかしお店の中なので、女性店員さんに訊く。
「あのバリィさんと・・・写真撮ってもいいですか?」
「どうぞ!どうぞ!なんやったら入口の戸を開けたほうが撮りやすいですよ!」
<おおっ!めっちゃ好意的!ありがたい・・・!>
今治の人はええ人ばっかりやぁー!と思った。
まだこの店員さん1人にしか今治の人と会っていないのにも関わらず、だ。
言われたとおりに、入口の戸を開けさせてもらって、撮る!
パシャッ・・・!
(※ 画像サイズは乙女心ですよっ!)
バリィさんと記念撮影して、バリィさんグッズを購入して・・・。
これで今治にきた目的は完全に達成された。
でも、なかなか来る機会のない場所だ。
せっかくなので、今治の街を少し歩いてみることにする。
広いアーケード街。
人通りは少なくシャッターを閉めている店も多い。
それでも、そこら中にいるバリィさんが、可愛いのなんの・・・。
黄色い自販機がある。
近寄ってみると、やはりそれもバリィさん。
自販機もバリィさん・・・!
<"おいしいけん、のんでみとん"って言ってる・・・!>
期待通り、バリィさん攻めしてくる今治に、僕の心はマグロみたいにトロトロ溶けた。
<可愛いよ・・・可愛いよ・・・バリィさん・・・>
(もうちょい続くー・・・!)
『EP7を読む』