私の心みたいに温かいカレー。
アルコールでやられた胃に優しく落ちる。
<イイッ…井伊なおすけ!全開っ…!>
スパイスガールズみたいにスパイシーなカレーの香りが鼻に抜ける。
『唯』に行った数ヶ月後。
私はまた酔って『蕎麦茶屋なべしま』にいた。
<前回が鳥南ばんだったから…南ばん繋がりで…今回はカレー南ばんにしよう…>
セカンド南ばん、襲来。
やっぱりご飯付き。
黄色い。黄色い。黄色いよ。
カレーうどんもイイッけれど、カレー蕎麦もイイッ!
<酒飲んだあとにカレーってわりと合うな…口の中のアルコール分がかき消されるっ…!>
そのとき謎の物体、発見。
黄色い。黄色い。黄色いよ。
<いったいこれはなんだろう…でっかいみかん…>
でっかいおっぱいみたいだ。
黄色い爆乳を見つめながら、蕎麦を食べる。
カレーが服に飛び散らないように、慎重に食べる。
酔っていると、ついつい勢いよく食べてしまい、翌朝気が付いたら服に黄色い点々が付きまくっているパティーンがあるから要注意だ。
麺をあらかた片付けて、カレーつゆを飲む。
温かなカレーが全身に行き渡っていく。
全身がほっかほっか亭。
帰りに、黄色いでっかいみかんのことを店のオバちゃんに訊いてみた。
農家として気になったのだ。
するとオバちゃんは額に手を当て苦笑して「んーなんだっけ!思い出せない…」と言った。
<それならまぁいいや…俺も絶対知りたいわけじゃない…>
店を出て数メートル歩いたとき、背後から声がした。
振り返ると、さっきのオバちゃんが中から走り出てきた。
どうやらオバちゃんは、黄色いでっかいみかんの名称を、他の店員さんにわざわざ訊いてくれたようだった。
<なんていい人なんだ…!>
ありがたい。
感謝感激。教えてもらった名称をその場ですぐにiPhone内のメモに入力した。
しかし後日、酔ってiPhoneを紛失してしまい、黄色いでっかいみかんの名称は永遠の謎となってしまった。たしか宮崎かどこかのみかんで、お客さんから貰ったと仰っていた。
◆ 蕎麦茶屋 なべしま
(高知県高知市帯屋町1-8-15)
営業時間/18:00~翌3:00(L.O.2:30)
定休日/日曜日
駐車場/無