<これは良さそう…すっごく粘りそう……>
春が短く、夏になるのが早い高知。
6月現在の時点で、すでに半袖でも汗ばむ陽気となってきた。
そんな中、うどん界でも各店の夏限定メニューが続々登場。
『本格手打 うどん処 楓』
数年ぶりの「楓」
「山のとろとろ」というものがメニューにあった。「夏限定」とも書かれている。
<限定とか言われると食べたくなっちゃうんだよなぁ……>
創作うどんが多い店ほど、メニューを見ただけでは、どんなうどんが出て来るのか見当も付かないことが多い。
「山のとろとろ」だって、それだけでは何がなんだかわからない。
だが「楓」は、できる子。
メニューの脇に、ちゃんとトッピングの構成を書いてくれている。だからあらかじめ丼の中の世界を想像することができる。
記載によると「山のとろとろ」は、どうやら山芋とオクラと納豆が主体になったうどんのようだ。
<山芋もオクラも納豆も…かなり好き…!抱いて眠りたいくらい好き……!>
私は興奮を隠せなかった。
ここまで書かれて、もう混ぜないわけにはいかない……!!
うっひょー!
心中穏やかではない。
大根おろしの上に納豆が載り、納豆の上にオクラが載り、さらにその上に卵黄が載っている。そしてこの断層のどこかに山芋とろろが隠されているのだ。
興奮しなきゃ、嘘だよっ!
まったくもってムラムラする。
エロいことしか考えられない。
『山のとろとろ(大盛り)』
うどんの上に納豆が涼しい顔して居座っているという、この妙な違和感。
<早く混ぜたい…ネバネバしたいっ……!>
「ズプワァァァン……!」
豪快に出汁をぶっかけた。迫力の効果音が店内に響き渡った。周囲にいた数人の客が振り向き…はさすがにしなかった。
艶のある麺線。相変わらず綺麗に揃っていて、エッジ強め。
まずはトッピングをよく掻き混ぜる。掻き混ぜている最中、すでに納豆が強烈に主張してくる。
<臭い………でも臭いのがいい………!むしろ…臭ければ臭いほど……イイっ……!!>
それから混ぜおおしたトッピングを麺に絡ませて食べる。
<ムッチムッチのネッバネバ……!>
口に含むと、「楓」本来の滑らかな麺の舌触りが、各種ネバネバ食材の効果でネバネバな舌触りにスッカリ変わっていた。だがこれがいい。
ネバネバが丼の中のすべてを繋ぐ、トッピングと麺。麺と麺。果てはうどんと人を繋いでゆく。
ネバネバが生み出す、ネバネバーエンディングストーリー。
ぶっかけ出汁を一滴残らず飲み干し、納豆も一粒残らず食べおおして一息つく。
ついた一息から、自覚できるほど強烈な納豆の香りがムワッと漂った。
◆ 本格手打 うどん処 楓
(高知県高知市朝倉南町4-18-8)
営業時間/8:30~19:00
定休日/月曜日
営業形態/一般店
駐車場/有(庭)
(楓おろし800円、天ぷらうどん700円、生じょうゆ530円、大盛120円増、中盛?円増など)
『本格手打うどん処楓』の場所はココっ・・・!