昼頃になっても、依然として体内からアルコールが抜けきっていなかった。
起き上がれない。
スマホでネット検索してみると、二日酔いのときはカレーを食べるとよい、と書かれていた。香辛料の影響で血流がよくなったり、発汗作用があるのもいいらしい。
近くのうどん屋に行こうかと迷った。
しかし身体を起こし続けているのがつらい。どうやらうどん屋に行くのは無理そうだ。
重い足取り、前傾姿勢で車の助手席に乗り込み、ドラッグストアへ向かい、『ヘパリーゼ』を買ってすぐさま飲んだ。
それから高知が誇る高知にしかない弁当チェーン『くいしんぼ如月』で『カレーうどん』を購入。
家に帰ってかぶり付いた。
<如月のカレーうどんってこんなんやったっけ?>
鶏肉が結構たくさん入っている。チキンカレーだ。スライスされたタマネギがシャキシャキと音を立てる。
たぶん冷凍の麺だけれど、この麺が面白いのは、湯掻かれてから少なくとも15分以上が経過しているのに、まったく伸びていないという点だ。
昔から如月のうどんはどこの店舗で買っても驚くほど伸びない。芯に水分が浸透しないというか、長時間ずっとコシを維持し続けられる。
きっと村上春樹ならこう書くだろう。
「いったい何がどうなっているのだろう。僕にはわからない。ともすれば如月のうどんは、うどんを超えたうどん、あるいは元々うどんではないのかもしれない」
添えられていた七味唐辛子を途中から振りかけた。
いつもはうどんに唐辛子はかけないけれど、発汗したかった。ともすれば発汗したかったのだ。
食べ終わる頃には狙い通り、毛穴から汗が出るのを感じ始めた。
その1時間後、体調はほぼ平常時に戻った。ふつかつ。
ふつかーつ!!!