「ぶっかけうどん」
そう書かれた旗が、店の周辺に沢山あった。
うどんにハマリ始めていた当時の私は、
そのうどん屋さんの前を車で通る度に、
心、ときめいた。
「ここに入ったら、
どんなうどんに出逢えるんだろう・・・」
それから数ヶ月の後。
いろんなうどん屋さんを回りながらも、
その店には定期的に通うようになった。
『手打ちうどん まるしん』
行ったこの日は、8月の下旬。
強烈に照り付ける太陽が、少しだけ緩み始めた16時頃。
普段ならこの時間でも、
近くにある大学の学生でごった返している『まるしん』も、
夏休み期間中とあってか、先客は、一人。
元々、人が多い場所が苦手な私にとっては、
その方が嬉しかった。
陽光、射し込む店内。
一人で切り盛りしていた店主に注文する。
「温玉ぶっかけ、特盛りで!」
『特盛り』は、もはや私のデフォ。
好きなものを、腹一杯食べる。
好きなものだけで、腹を満たしきる。
こんな幸せ、他には無い。
『温玉ぶっかけ(特盛り)』
『まるしん』の温玉は、割っていない。
いつでもどこでも好きな時に、気軽に割れるスタイルだ。
それを器の縁でコンコン!と割ると、
トロ~リ♪
とろける温泉卵。
そこに醤油を回し入れると・・・。
ほらほらほら!
見て!このツヤ!
ピッカピカ!
その時、現れる。
伝説のポケットモンスター。
ピィ~カァ~チュ!
ぴ・・・ピカチュー・・・!
10万ボルトだっ!!
感電・・・!
感電である・・・!
私の心を射抜く、
旨さという名の電流に、
感電!!
ビリビリ!
ビリビリ!
体中からほとばしる、
電流・・・!
俺は今、
猛烈に感電している!!
そして間髪入れずに押し寄せてくる、
ぶっかけ出汁の大津波!
うわぁぁあああ!!
流されるぅぅううう!!
助けてください・・・!
助けてください・・・!
もう助かりません!
いろんな意味で手遅れです!
ぶっかけ出汁の大津波の中でキリキリマイになりながら、
私は叫んだ。
ワサビの入れ過ぎには注意よ~!
『手打ちうどん まるしん』
看板の表記と同じく、旨さとコシで心を包む、
"○心"なお店でありました。
◆ 手打ちうどん まるしん
営業時間 10時30分~19時
定休日 月曜日
営業形態 一般店
駐車場 8台
(温玉ぶっかけ480円、かけ350円、ぶっかけ380円、ひやかけ380円、しょうゆ380円、
かきあげぶっかけ500円、ちく天80円、中盛50円増、大盛100円増、特盛200円増など)
手打ちうどんまるしんの場所