『おむすびころりん』に着いたとき、さっきまで降っていた雨が止んだ。
私は車から降りると、初めて触れる戸を開けて、初めて吸う空気を吸った。
中には4人掛けのテーブル席がいくつか並んでいた。
店のオバチャンが水を持ってきてくれる。
私はメニューを見ながら、どれを注文しようかとしばらく悩んだ。
<決められない・・・>
と私は思った。<どれも魅力的で攻撃力高めッ・・・!>
メニューには、"カツオのタタキ丼"と"うどん"のセットがあった。
<タタキ丼とうどん・・・!>
私は頭の中でタタキ丼とうどんの味を想像した。<悪くない・・・!>
高知県人のDNAが騒いだのだろうか。
わからないが、私は数日前から「カツオのタタキ」が、そこら辺の猫よりも食べたかった。
タタキが食べたい私を狙い打つように、タタキ丼とうどんのセットである。
悪くない。それにしようか、と思った。
<でも、ここは"おむすびころりん"・・・!>
カツオのタタキ丼もいいけれど、店名にもある「おむすび」を、初来訪だし食べてみたい、とも思った。
<タタキとおむすび、両方を何とか食べれないものか>
私はメニューを2年ほど、じっくり観察した。
<おっ!おっ!おっ!いいのがある・・・!>
私は見つけた。<カツオのタタキとおむすびのセット!>
それはカツオのタタキとおむすびが食べたい、私みたいな人には最適な組み合わせだった。
メニュー名は『はちきん定食』
<はちきん・・・!>
と私は口の中から外に声を出さないようにして言った。<悪くない・・・>
いったい何が悪くないのだろう。
私にもわからない。きっと悪いことなんて何もなかったんだ。
オバチャンに注文してから、しばらく待った。
「おむすびころりん」の店内は、静かで落ち着ける雰囲気だった。
キレイに掃除された床。
おむすびはどこにも転がってない。
テーブルの脇に「苺氷り」と書かれた写真付きのポップがある。
苺氷り・・・?苺氷りってなんだろう・・・。
苺氷りは、ココではなく、隣の「かつお船」というお土産物屋?で販売されていると書かれている。
(後編へ続く・・・!)
※ このあとが長くてクドイので分割します(笑)。今日は編集する時間もないので明日更新です!
『後編を読む』